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不法侵入と器物損壊と里山のコモンセンス

先日の写真、

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「誰かがあなたの土地に踏み込んで、竹を切り捨てていましたよ」

の報告を、所有者はさらりと聞き流してくれました。

「ああ、そう」

クヌギを切られたときは気にしていたのに、どこが違うんですか?

 

私には判らなかったけど、どうやら事情が違っていました。

 

竹は用水路を浸食していました。

言われて、確かめに行きました。なるほど。

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用水路は公益のものなので、保全しなくてはいけません。

土地の所有者が手入れを怠っていると、誰かが代わりにやってくれます。

それが里山のコモンセンスです。あるいは、この辺のコモンセンスです。

 

私がこの土地と関わるなら、この感覚を判らなくてはいけません。

 

オオクワガタを捕るためにクヌギを切ったのは、おそらく父を知らない人です。

水路を保全するために竹を切ったのは、父を知っている人でしょう。次に会ったとき、

「切らせてもらいました」

「切ってもらって助かりました」

という会話が交わされるのでしょう。会う機会があれば、です。

 

父は少し離れたところに住んでいます。

気が向くと車 f:id:aldertree:20170120220613j:plain に乗ってふらりとここを訪れるのですが、最近は母の監視が厳しく、あまり運転させてもらえません。

母はなにしろ心配性なのです。

私が車 f:id:aldertree:20170120220236j:plain を出すというと、母は心配を超えて怒り出します。

私はなにしろ運転がへたなんです。

自分で作った道なら走れます。畑の中も大丈夫。

後続車がいたり、対向車がいたり、歩行者、自転車がいるところはだめです。

東京では乗れません。田舎でもほとんど乗れません。

 

私がこの土地に住むなら、まともに運転できるようにならないといけません。

冬の日に思い出す、夏の日のきゅうり畑とその周辺

夏の日、この辺を、

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巻尺持ってウロウロしていたら、

畑で作業している人に声を掛けられました。

「○○さんですか?」

たちまち素性が割れたのは、他に訪れる人がいない場所だからです。

その方はアマチュア農家さんで、家庭菜園の収穫をしているところでした。

「ちょうどできたところだから」

ぱちんぱちん鋏を振るって、きゅうりを持たせてくれました。

おいしかったです。

「この辺に家を建てようと思います」私が言うと、

「あそこは風が強いでしょう。こっちの方がいいですね、見晴らしがすばらしい」教えてくれました。

 

ご挨拶に伺ったプロの農家さんでは、きゅうりの漬物をいただきました。

小鉢に盛られたのをぜんぶ平らげて、お代わりもちょうだいして、おみやげも持たせていただいちゃいました。

おいしかったです。

「裏の窪地を畑にしようと思います」私が言うと、

「あそこは土が難しい。野菜をつくるなら道の南沿いがいい」教えてくれました。

 

みなさん、よくご存知なんです。  

というか、私がご存じないんです。

アマチュア農家さんが勧めてくれた場所、眺望が良いのは知っています。

藪を掻き分けて登りました。Gパンを1本犠牲にしました。でも、

「あそこの夜景は最高ですね」と言われ、見たことない私はちょっと悔しかったです。

 

他にも、私がご存じないことがいっぱいあって、少しずつ調べているところです。

どこに水が引けるのか、排水経路はどうなっているのか、水質、水量、地質、地盤、重機のレンタル料、Wi-Fiの状態、消防団の詰所の場所と保有車両、

みんな、ご近所の方に教えていただきました。

破れたGパンはいて、水の滴るバッグ(用水路にはまりました)を下げて、巻尺持ってウロウロしている人物が、とても親切にしていただきました。

 

そうです、あの日、きゅうりがおいしかったのです。

そして、道が藪に覆われ、家が草に埋もれ、自動車が放置されていたのです。

HNについて

ブログを始めるのにHNが必要で、何か思いつかなくてはいけなくなりました。

こういうの、すごく苦手です。

仕事が変わったり、生活が変わったりで新しいID作るたび、2日くらい考え込みます。

あげくに、たわけた名前をつけてしまいます。

パスワードなんかうっかり作ったら忘れます。

で、aldertree、

木の名前です。和名はハンノキ。

私が家を建てるつもりの土地に、この木はありません。

 

 

この木は東京の職場にあります。

初めて見たとき、気になる木だと思いました。

広葉樹に、球果?

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のように見えますが、球果植物は裸子植物ですよ。

 

調べました。ハンノキでした。

球果のように見えるのは「球果状の果実」。苦しい呼び方です。

そんなことはいいんです。それよりも、この風景、

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「はざ木」です。

記憶の中の、故郷の風景です。

 

ハンノキは「はざ木」の木でした。

近くで見たのは初めてでした。

いつも、車窓から見る景色にありました。

覚えていたことも忘れていた木の名前、を偶然知りました。

ハンノキは私の、ちょっと特別な木になりました。

 

出勤するとき「おはようハンノキ」と声をかけます。

いえ、声は出しませんけど。

冬のハンノキはこんな姿。 

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「球果状の果実」は、季節が変わってもついています。 

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もっと調べました。

ちょっと特別な木は、かなり特別な木でした。

 

ハンノキの根にはフランキアというバクテリアが共生しています。

フランキアは空気中の窒素を固定して、植物の養分をつくります。

このため、ハンノキは養分の少ない地にも育ちます。

土砂崩れや火山噴火で裸になった地に、真っ先に生えて育つ木です。

そして、周囲の土壌を豊かに変えるのです。

 

もうひとつ、ハンノキには特技があります。

それは、水で飽和した土壌で育つこと。

例えば河辺。例えば湿原。そして水田。

このような土壌は酸素の供給が少なく、育つ樹種が限られます(根も呼吸するんです)。

でも、ハンノキは幹から根に酸素を送る機構をもっているのです。

 

ハンノキの成長は早く、払った枝は生でも燃える優秀なバイオマスです。

葉の時期は短かく、量も少ないため、明るい林をつくります。

その林にゼフィルスが生まれます。

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リスやキツツキが好んで巣をつくります。

 

 これはハンノキ、植えなくちゃいけませんね。

と、思っていたら、こんな名前になりました。

ちょっと山に行ってきました

池に垂れる電線とか、

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切り捨てられた竹とか、

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鑑賞してきました。

 

電線は風で切れたようです。

電気は通ってないので大丈夫。

まあ、明日にでも設置会社に連絡します。

竹は誰が切ったのでしょう?

ちょうど良いので、拾い集めて柵を作ります。

 

今年もいろいろ、やることがありそうです。

そういえば、去年の成果を報告していませんでした。

以下before afterの画像です。

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時間ちょっとかかりました。お金はかけていません。

お金ないんです。

木を植える人

夏の日に撮った写真です。

 

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スギは20年から30年で成長するそうです。

 

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樹高の伸びる時期は光合成も活発です。

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針葉樹の二酸化炭素吸収量が多いのは、葉を落とさないから。

それにしてもスギ、優秀ですね。

成長期が過ぎ、成熟期に入ると、花をつけ、実を結びます。

成長期と成熟期――この辺の数字は人の時間と似てますね。

木々の時間はずっと先、何百年、何千年と続きますけど。

 

 

昭和の一時期、あちこちに人工林ができました。

戦争で疲弊した国土を立て直すため、多くの木が植えられました。

何十年か後、木々は国を支える資源となるはずでした。

植えられたのはスギ、ヒノキ、マツ。

人々の住む家や町を作るための建材です。

 

今、成熟期を迎えた人工林の多くが放置されています。

切って、売っても、まるで採算が取れないためです。

 

切るために植えられた木が、切られずに放置されている。

ために、問題が起きています。

 

苗木は間引きを前提に密植します。

まっすぐ育てるために密植し、ある程度育ったら間伐し、残った木が育つ余地をつくります。

充分に育ったら収穫し、他の草木が育つ場所をつくります。

放っておくと日照のない、下草の育たない、土壌保持力の弱い林になリます。

樹種も樹齢も均一な、生態系の単純な林は、放っておいても自然林にはなりません。

 

そして花粉症。

成熟期の人工林は大量の花粉を飛ばします。

若い木は花粉をつくりません。

樹高の伸びが止み、二酸化炭素の吸収量も落ちる成熟期、木々は花粉をつくります。

スギの場合、30年くらいから。ちょうど収穫期にあたります。

全国で花粉症が急増しているのは、収穫期を過ぎた人工林が放置されているためです。

 

 

ここにスギの林があることを、写真を撮ったその日まで、私は知らずにいました。

今、私は、このスギを大事に切りたいと思っています。

 

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木を植える人は、誰のために植えるのでしょう?

 

このスギを植えたのは祖父、だそうです。

孫と一緒に植えたそうです。

祖父には3人の孫がいました。

植えた木が根付くころ、祖父は亡くなりました。

木が収穫期に入るころ、一緒に植えた孫が亡くなりました。

 

私の兄です。

自ら育成した林業生産物を販売することを考える

林野庁森林・林業白書のデータです。

http://www.rinya.maff.go.jp/j/kikaku/hakusyo/27hakusyo/pdf/12hon3-1.pdf

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山林を20ha以上保有し、

家族経営により一定程度以上の施業を行っている

林業経営体の林業所得が11万円

 

すごい金額です。

どんな事情があって、こんな事態が起きているのでしょう?

 

木の値段の推移です。 

f:id:aldertree:20170101143923j:plainhttp://www.rinya.maff.go.jp/j/kikaku/hakusyo/27hakusyo_h/all/chap3_1.html

 

消費者物価指数を、比較のために。

f:id:aldertree:20170101143945j:plainhttp://www.mlit.go.jp/hakusyo/mlit/h24/hakusho/h25/

 

山元立木価格はやまもとりゅうぼくかかく、と読みます。

「丸太の市場価格」から「伐採や搬出にかかる経費」を引いた額、

つまり山林所有者の収入です。

立木の状態の樹木の価格で、丸太相当材積(幹材積㎥)当たりの価格で示されます。

 

すみません、幹材積㎥というのが判りません。

 

幹材積は樹種・樹高・胸高直径を基に、幹材積計算プログラムで算出します。

胸高直径は成人の胸の高さで測った木の直径です。

幹材積計算プログラムは森林総合研究所が提供しています。

http://www.ffpri.affrc.go.jp/database/stemvolume/

 

とにかく、

 山元立木価格 × 幹材積 = 立木1本の値段

だそうです。大丈夫、計算は私がします。

 

樹齢50年のヒノキ、樹高23m、胸高直径20cmの場合、

 6,284円/㎥ × 0.42㎥ = 2,639円

樹齢50年のスギ、樹高22m、胸高直径25cmの場合、

 2,833円/㎥ × 0.49㎥ = 1,389円

 

この金額で、園芸店のポット苗木がいくつ買えるでしょうか?

 

さすがにこれではやってられない、のグラフです。

 

f:id:aldertree:20170101144201j:plainhttp://www.rinya.maff.go.jp/j/kikaku/hakusyo/24hakusyo_h/all/a45.html

 

最近はバイオマス燃料などの需要が伸びてきて、

これまで製品にならなかった間伐材も活かせる道ができました。

林業、なんとかなってほしいです。

自ら生産する農産物を販売することを考える

農林水産省の農業経営統計調査に品目別経営統計というのがあります。

http://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/noukei/hinmoku/

この平成19年の「調査結果の概要」を見てみましょう。

ちょっと古いけど、これが直近の調査です。

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きゅうりを1,000㎡で栽培した場合の所得は118.5万円だそうです。

これはプロの農家の数字です。素人がこのレベルで収穫することはできません。農家は何年もかけて土をつくっています。設備投資もしています。

 

設備の内訳を見てみましょう。

https://www.pref.nagasaki.jp/e-nourin/content/seisansya/nfg/H26kijyun/s201-04.pdf

こちらは長崎県の資料。耕作面積2,000㎡、農業所得145.5万円のケースです。

きゅうりの露地栽培には育苗ハウス(27.5万)、トラクター(174.4万)、畝立て機(20.2万)、動力噴霧器(18.6万)、などを使用するようです。他に作業及び収納舎(258万)、農機具倉庫(10万)という数字もあります。

まねはできませんが、これをもとに試案を建てます。

 

耕作予定地。

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販売金額15万、なら耕作面積は200㎡、

育苗は小型の温室をDIY(1万くらい)で、

耕地は小型の耕うん機(10万くらい)で、

畝立ては鍬(数千円)で、

噴霧器は手動(数千円)で、

いけるでしょうか?

いけたとして、私のきゅうり、売れるでしょうか?

どうやって?

 

全国農業会議所に相談してみます。

販路、どうしたらいいですか?

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https://www.nca.or.jp/Be-farmer/leafret/pdf/handbook2013.pdf

新規就農相談ハンドブック - 全国農業会議所

 

農協任せにせず、様々なルートを開拓するのがいいようです。

まだ農家になっていない私は、農協任せにはできません。まだ農家になっていないので。

小売(スーパー等)や、消費者へ直接、も良い販売方法のようですが、

熟練の農家の商品に混ざって、私のきゅうり、売れますかね?

 

うちの畑(登記上)のお隣は熟練農家のMさんです。

Mさんのきゅうりはめちゃくちゃおいしいのです。

きゅうりだけじゃなく、なすも、トマトも、他の野菜もおいしいのです。

よその農家がお金を出して買うほどです。

私ならMさんのきゅうりを買いますね。

だって、めちゃくちゃおいしいんです。