網戸のない家に侵入するもの、しないもの

この家、網戸がありません。

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北の窓です。いかにもヤブ蚊が襲来しそうな景色です。

 

網戸、高いんですよね。

設置すべき場所全部に設置した場合の費用(材料費)を試算しました。10万円超でした。

設置箇所を1/3くらに厳選してなんとか、と算段しましたが、どうやって取り付けるんですか?網戸って外から付けるんですよね。面格子どうするんですか?

締め切っておけばいいって?

でも、私は開けっ放しが好きなんです。

 

2階はもっとめんどうです。

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このフェンスの耐久性が不明。荷重かけたらもげそうな気がするんですよ。

フェンスに体重かけずに屋根に下りて、また戻ってくる方法が思いつきません。

 

と言っているうちに、7月も終盤。開けっ放しで生活しています。

開けっ放しなので、ときどき何か入ってきます。

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びっくりしましたよ。振り向いたらいるんですもの。

 

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なかよし?

 

と、

ご近所の犬が自由に出入りする家ですが、虫はあまり入ってきません。

 

蚊取り線香を使っています。蚊取り線香の匂い、昔から好きです。

と思ったけど、なんか違いますね。昔のものとは成分が違うようです。

残念だけど、これだと長い時間は使えません。短く折って、短い時間だけ使っています。

で、開けっ放し。

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すだれで虫の侵入を防ぐことができます。コガネムシとか、大きい虫の。

目隠しもできます。昼間なら。

電気をつけると、御簾の奥の姫君の姿は隠せません。

 

なぜ虫が入ってこないのか、の謎を解くために、調査を実施しました。

サンダルをはいて、玄関を出て、10歩歩くと草叢です。

更に30歩歩いて、横手に回ってみました。

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なるほど。

地面に広がっているのはドクダミです。奥に立っているのはヨモギです。ところどころにペパーミントもあります。

ここはそういう草叢です。

 

南側はどうでしょう?

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以前、庭の手入れをすると宣言しましたが。

すみません、これが私の手入れの結果です。

アレチウリとイラクサとクズを刈りました。車の荷台いっぱい刈りました。

あと、名前の分からない蔓、雨樋と紫陽花をがんじがらめにしてるのを刈りました。

他は気にならないので放ってあります。ヨモギが元気です。

 

以上で調査は終了。謎は解けたと思います。

 

アレロパシー

植物が放出する化学物質が、他の生物に阻害的、あるいは促進的な何らかの作用を及ぼす現象アレロパシー(他感作用)といいます。

セイタカアワダチソウは地下茎から他の植物の成長を阻害する物質を放出し、あっというまに一面に広がります。アルファルファ、クローバー、ムギ、ソバなどにもこの作用がみられます。

虫媒花は甘い匂いで虫を呼び、針葉樹は清々しい香りに殺菌成分をのせています。

マリーゴールドを畑の近くに植えると、食害虫を作物から遠ざけてくれます。

ヒガンバナの根には毒があるので、モグラやネズミを忌避するために田の畦に植えられました。

ハーブはその匂いに病害菌や食害虫からの防御成分をのせていることが多いのですが、ドクダミヨモギ、ペパーミントは強いアレロパシーを持つハーブです。

 

いえ、前から知っていたわけじゃありません。最近調べて知ったんです。アレロパシーという言葉もね。

この家の庭にヨモギが繁茂してるのも、ですから、ただの成り行きです。気にならないから放っておいたというだけの。

「家の周りに虫除けハーブを植えたけど、ちっとも効果がなかった」という話を聞きますが。

どこに違いがあるのかは判らないけど、この家はハーブに守られているのだと思います。「植えた」んじゃなくて「勝手に生えてる」草だから、あらたかな力があるのかも。

だって私、網戸のない家で、草ぼーぼーの庭で、開けっ放しで生活してるんですよ。

それで、虫に刺されないんですよ。

 

ということで、網戸はないままです。

ご近所の犬が入ってきて、人の後をついて歩きます。

そしてこうなります。 

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「下りられないなら、上るな」

 

ところで、その辺に勝手に生えてる草や木。

黙ってそこに在るだけの存在だけど、黙って蹂躙されているつもりはない、という在り方。

めちゃくちゃカッコいいですね。

今、私がここにいる理由

紫陽花が咲きました

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引っ越してきた日、こんな姿で立っていました。

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住む人のいない家の庭で咲いて、枯れていた花は、思いがけない色でした。

 

紫陽花は開花から日を経るにつれて色が変わります。土壌のPHでも変わります。

ある年、庭の紫陽花の色が変わった。不思議に思って根本を掘ってみたら、、、

というミステリを読んだことがあります。

が、この紫陽花は白いままです。

色の変わらない紫陽花も素敵です。

 

 

梅雨

梅雨は非常に苦手な季節で、

例年、蒸し暑さにじわじわとHPを削り取られて、気力のない日々を送ってきましたが、

「こっちの梅雨って、こんなもんですか?」

ことあるごとに聞いています。私の知っている梅雨じゃないです。過ごしやすいです。

 

暑いときは暑いです。

晴れた日の畑とか、容赦なく暑いです。紫外線が痛い感じの、びしっとした暑さ。

それが、夕方にはすうっと涼しくなります。

 

雨も降ります。こんな感じ。

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でも、雨の日は涼しいので。

 

7月です。

半夏生(はんげしょう)、初めて蝉の声を聞きました。

そして、まだ、「蒸し暑い」に遭遇していません。

そして、私は不安を募らせています。

 

住宅の省エネルギー基準

「エネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法)」により、住宅の建築主に対して、一定の基準以上の省エネルギー性能の実現に対する努力義務を課しているのが「住宅の省エネルギー基準」です。1980年(昭和55年)の省エネ法の制定以来、法律の改正ごとに強化されてきました。

資源エネルギー庁

http://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/housing/

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経済産業省国土交通省環境省 平成24年7月

 

現在の省エネ基準は「努力義務」ですが、低利融資・補助金・減税などの優遇があって、基準を無視する方が努力を要する仕組みです。

キャッシュで家を建てるとか、DIYで建てるとか、神の宿る社を伝統工法で建てるとか、じゃなくて、

普通にローンを組んで、普通にハウスメーカーに頼んで、普通の家を建てるなら、省エネ基準適合住宅になるはずです。

私が建てる家もたぶんそうなります。

 

家の価格というのは判りにくいのですが、この数年でボトムラインが上がっているのは確かです。

2010年に500万円台の住宅を売り出したハウスメーカーが、今は800万円台の家の安さをアピールしています。6割UPです。

これはもちろん「国の進める低炭素社会へ向けてのロードマップ」と関係あるわけです。

目指すべき最終の水準は、「ネット、ゼロ、エネルギー住宅(ZEH)」とされています。これは、住宅の躯体と設備の省エネ性能の向上と再生可能エネルギーの活用等により、年間のエネルギー消費量が正味でゼロ、または概ねゼロとなる住宅のことで、2030年には新築住宅の標準とすることが目標とされています。

資源エネルギー庁 

http://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/housing/

おお、すごい。

 

で、何が言いたいかというと、

この家、冬になったら寒いだろうなです。

冬になる前に引っ越すつもりだったんです。

どうやら、そうはいかないみたいです。

 

季節の装備

私は電気ストーブを持っています。定格電力は800Wです。オーブントースターと同じ仕組みですが、台所にあるオーブントースターは900Wです。

あと、炬燵と、ホットカーペットと、電気毛布を3枚持っています。

貧弱な装備ですが、「冬になる前に引っ越すんだからいいや」思っていました。

 

どうやら、そうはいかないみたいです。

 

なので、せっせとホームセンターに通って、あれこれ眺めています。薪ストーブとか置いてあるんですよ、この季節に。

そして、すだれを買いました。1枚300円のすだれがいろいろ使えます。

 

目隠し

 

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 台所。窓を開けると、ご通行中の皆様から丸見えの造りなので。

 

虫除け

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トイレ。網戸がないので。

 

日除け

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2階の部屋。3方に窓があって、朝と昼と晩に日が射します。

 

冬の前に夏、ですから。

 

当初のつもりより長く住むことになるかもしれない、

となると、この家、いろいろ気になることが出てきました。

「更地にして売ろうか、リフォームして売ろうか」の家を借りたのだから、あちこち傷んでいるのは当然なのですが、私の使い方が投げやりで、これが当然じゃないんです。

表札はガムテープのままだし、チャイムは鳴らないし、ゴミを捨てるのにダンボールの箱を使っています。

まあ、このへんは改めるつもりはありません。

訪ねてくる人は限られてるし、ガムテープの表札は気に入っているんです。

500mlペットボトル×24本の箱(スーパーでもらいました)を2つ、3つ、4つと並べると、ゴミの分別にちょうどいいんです。

改めたのは、

濡縁の釘が緩んでいるのを避けて座るのをやめました。

釘を打ち直しました。10本ほど。1分もかかりません。それを今まで放っておいたんです。

欄間の障子を貼りました。

掃き出し窓の上に欄間があって、掃き出し窓の障子は貼ったけど、欄間は放ってありました。別に不自由はありません。けど、脚立を買ったので、障子紙があまっていたので、貼りました。

BSのアンテナを撤去しました。

二度と電波を受信することのないアンテナが庭先にありました。NHKの人が気にするかもしれないので片付けました。VHF/UHFアンテナも撤去したいけど、屋根の上には上れません。

あと、よしずを立てました。

たまたまホームセンターで見かけた1300円のよしずが庇の高さにぴったりで、嬉しくなって買おうとしたら、「軽乗用車には積めません」と言われて、でも、もしかしたら積めるかもしれないと頑張って、まんまと持ち帰ったものです。

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くくりつける柱が足りなくて、物干し台にあった竿を縦にして穴掘って立てました。たまたま高さがぴったりでした。竿は後日補充しました。

よしずの向こうは空き地で、空き地の向こうは道路で、この場所もご通行中の皆様から丸見えだったのですが、よしずを立てたら居心地の良い場所になりました。

屋根がありますが、屋根が破れているので、私はここを濡縁と呼んでいます。

やたら居心地の良い場所です。

家の中にいるのがもったいないほどの、いい空気。

 

私はここでお茶を飲みます。引っ越してきたときからの習慣です。

よしずがなくて丸見えのときも、ここでお茶を飲んでいました。

よしずがあった方が落ち着きます。緩んだ釘がない方が落ち着きます。

朝起きて最初にするのがお茶を飲むことで、帰宅して2番めにするのがお茶を飲むことです。

そして一昨日、一週間の仕事を終えて帰宅して、犬を撫でた後、ここに座ってお茶を飲みながら、ぼんやりと屋根の破れ目から夕空を眺めていたときに、ふと思いました。

ああ、これが理由だったのかもしれない。

 

今、私がここにいる理由

2016年夏、8年ぶりに93番地を訪れた私は、その荒れた様子にたじろぎながら、なぜかすんなり、「この地で暮らしたい」と思いました。

その時感じたこと、ブログの最初の記事に一言だけ書いています。

とてもいい匂い

aldertree.hatenablog.com

 

ここは93番地と違って、すだれやよしずで憚るくらいの人目があります。でも、産業施設はなくて、ゆったり区画された住宅しかなくて、空気を痛めつけるものからは離れています。

93番地の匂いとは違うけど、「いい匂い」のする場所です。

 

私達が呼吸する空気、酸素をつくるのは光栄養生物ですが、木や草や苔や藻にはそれぞれの匂いがあるので、場所によって、季節によって、時間によって、天候によって、空気の匂いは違ってきます。

ここは近くに林があって、ヒバやヒノキの匂いが届くのですが、庭では今ヨモギが伸びているので、シネオールの芳香も混ざります。

季節ごとに、時間ごと、天候ごとに、変わる「いい空気」を呼吸していると、「なんかまだ頑張れる」って思うんです。

 

もしかしたら私は、匂いに誘引されてこの地に来たのかもしれません。

自動車通勤が解禁になりました

禁止していたのは私です。禁止されていたのは私です。

なので、「だからどうした」という話ですが。

 

先週から自動車通勤をしています。

そして、カーナビが壊れました。

右に行けと言った直後、やっぱ左に行ってねとか。

存在しない交差点を曲がれとか。

おもしろいことを言ってくれます。

だいじょうぶ。通勤経路は覚えました。

職場を出たら直進、突き当りを右折。大通りを直進、駅の手前で左折。片側4車線の通りに出たら右から2本目のラインに乗ります。ここがポイント。次の交差点で右折。右から2本めのラインからです。そして左車線に乗る。その後、然るべきところで左に折れると、私の山です。

 

最近の日の出は4時過ぎ、日の入りは19時過ぎ。今が一番、日の長い時期です。

ちょっと山に寄って、蔓を払ったり、竹を1本2本切って帰ります。

で、1週間通いました。

 

家に帰ると犬がいます。

玄関を開けると飛び出してきます。まず、これを撫でなくてはいけません。荷物を降ろしたり、なんだかんだはその後です。

まず撫でて、なんだかんだをして、ふと見ると、

犬が車に乗っています。

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犬は山が好きなんです。93番地と48番地と115番地がお気に入りです。

100番地(小さい方の畑)はお気に召さないようです。なにか痛い思いでもしたんでしょうか?

 

とにかく、1週間、これをやられて考えました。

まず家に帰る、それから山に行く、ことにしよう。

まず家に帰る、あたりまえだろうって?そのあたりまえができない人がいるんです。

aldertree.hatenablog.com

気の毒な人ですね。

 

 

職場と山と家の位置関係はこんなです。

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この、青のルートと緑のルートは覚えました。

そして、赤のルートに挑みます。

過去に痛い思いをしたことがあるので、お気に召さないルートです。

ナビはリカバリしたけれど、正気に戻ったかどうかは走らないと判りません。

確実に渋滞するボトルネックがあります。市内で一番事故の多い交差点があります。

嫌だな。

 

少しひよりました。

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ちゃんと帰ってきたんだからいいでしょ。

 

 

玄関を開けると犬が飛び出してきます。

まず撫でます。それからなんだかんだをして、ふと見ると、 

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帰宅は18時。日没は19時過ぎ。

今から山に行っても、蔓を払ったりする時間はありません。

まあ、でも、

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嬉しそうだし。

 

農地転用の要件がグレーで困ってます

農地法3条許可を得た後、農業委員会に行って、

「ここを通路にしたいんですが、農地転用できますか?」

聞いたら、

「特に問題はありません」

と言われました。

でも、別の日に行ったら、

「問題があるのでお待ち下さい」

言われました。

こういうこと、よくあります。慣れました。

慣れたからって、困らないわけじゃないです。困っています。

 

お待ち下さいの理由は、

「取得したばかりの農地を、耕作もせずに、いきなり転用ですか?」

(それはちょっと、認められません)

 

まあ、もっともです。でも、

「せめて、一度くらい収穫をあげてからにしてください」

と言われましたが。

 

ここ、現況は道です。

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地目は畑だけど、ずーっと前から道です。

私はてっきり2項道路かと思っていましたよ。

舗装してあるし。カーブミラー設置してあるし。水道管も通ってるし。

舗装はところどころですけどね。

 

でも、地目は畑で、2項道路ではなくて、私道でも、農道でもなくて、畑です。

なので、

「収穫をあげてからにしてください」

と言われたわけですが。

 

別に、舗装剥がして鋤を入れる、とかはしなくていいそうです。

ああ、よかった。舗装したの、うちじゃないですから。

カーブミラー設置したのも、水道管引いたのも、うちじゃないです。

うちは何もしてません。「どうぞ」言ってただけです。

 

「舗装していいですか?」「どうぞ」

「ミラー設置していいですか?」「どうぞ」

「水道管埋めていいですか?」「どうぞ」

どうぞ、みんなで使ってください。

 

「崖を造成していいですか?」「どうぞ」

「工事車両を通していいですか?」「どうぞ」

「排水溝を設置していいですか?」「どうぞ」

誰も損はしません。主に私が得をしています。

廃車を撤去できたし。

aldertree.hatenablog.com

排水経路を確保できたし。

aldertree.hatenablog.com

水道管を分岐させてもらうことにもなりました。

この場所に水道を引いた方、とても高い工事費を払っています。

分岐させてもらう私は、10分の1の工事費しか払いません。

かなり不当利得なお話ですが、「どうぞ」言っていただきましたので。

 

で、舗装剥がして鋤を入れる、はしなくていいんです。

畑の中に道があること自体は問題ないんです。

以前、大きい方の畑に盆栽を置いているのが問題になった時、

aldertree.hatenablog.com

あそこもところどころ舗装されていて、お叱りを受けるかと思ったけど、

「農作業のための道は必要でしょうから」そのままでいいことになりました。

なので、ときどき、車を乗り入れて地図を眺めている人がいます。

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ああ、また、迷子になったんですね。

 

 

ところで、耕作ってなんでしょう?

田畑を耕し、作物を作ること(大辞林

 私は耕作証明がほしいのですが。

大きい方の畑は耕起しただけだし、小さい方の畑は草を刈っただけだし、まだ、耕作してるとはいえないのだけど、

でも、では、何をどこまでやったら、「耕作してる」になるんでしょう?

が、とてもグレーなんです。

それで困っているんです。

「収穫をあげる」が要件とは思っていませんでしたよ。

 

私はこの土地が荒れているのが気に入らないんです。

荒れた土地には、誰かが勝手に踏み込んで木を切ったり、ゴミを捨てたりします。

でもって、ますます荒れます。

「何をしても誰にもバレないなら、何をしてもいいだろう」考える人が現われます。

よくないです。

見る人のいない土地は、落ち葉が飛んで隣家Aに迷惑をかけたり、竹が倒れて隣家Bに迷惑をかけたり、火事にでもなったら?消防団に心配をかけたりします。

でも、

宅地はうっかり貸したら厄介だし。

再建築不可の宅地は売れないし。

農地は貸すのも売るのも容易じゃないし。

山林の買い手、借り手はいないし。

なのでこの土地、放っておくか、自分で使うか、しかないのですが。

自分で使う、がやけにめんどうなんです。

 

私はここに家を建てて、ヤギを飼って暮らそうと思いました。

そうすれば、ご家庭でご不用になった洗濯機を置きに来る人がいなくなるでしょう?

大雪で竹が倒れたり、台風で水が出たり、にも対処できるでしょう?

対処って、近所の人とか、消防団とか、市役所とかに、「どうしたらいいですか?」って聞くことですけど。

聞けばなんとかなります。見る人がいる土地なら。

 

でも、

家、なかなか建ちません。

 

 

ここは畑です。

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ここを農地転用して、道にして、建築基準法の接道要件を満たさないと、私の家は建ちません。

 

私はヤギに、荒れた土地の手入れをしてもらうつもりですが、

aldertree.hatenablog.com

私のヤギに働いてもらうには、

先に畑を耕して、「収穫をあげて」、それから農地転用して、家を建てる、順番になりそうなので、

それではずいぶん時間がかかるので、

困ったな、って思っています。

蔓と、棘と、

ちょっと前の写真です。

ここに廃温室があるのですが。

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よーく見ないと判りませんね。

 

廃温室を覆っているのはスイカズラ

近くを通るといい匂いがします。

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優美な花は必ず2つセットで咲きます。

しなやかな葉、しなやかな蔓、強靭な印象はありませんが。

見かけはあてにならなくて、すごく強い植物だそうです。

あっという間に廃温室を覆ってしまいました。

これ、来年どうなるんでしょうね?常緑樹だそうですよ。

 

手前の白い花はノイバラ。

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この日が満開でした。

可憐な花。やさしい香り。そして蔓と棘。

最強の組み合わせをもつ植物です。

 

 

ここは私の「小さい方の畑」です。

農地法3条申請をして、農業委員会から「耕作してもよろしい」許可をいただきました。

ので、耕作しないといけません。

花を眺めているだけでは怒られるので、草刈りなどしました。

おおむね刈りましたが、ノイバラの奥に枯ススキが残っています。

ここ、近づくと痛いんです。

 

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 カラタチ。

本体は畑の外にあって、ステルス化した枝が張り出していて、うっかり触ると刺されます。

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棘、大きいし。

靴底、あっさり貫通しましたよ。

で、先端が二段構造になっていて、ここの部分が簡単に折れて、皮膚の中に残るんですから。

私がアコヤ貝だったら真珠がつくれます。たくさん。

というくらい、痛い目に遭いました。

 

いったい何の必要があって、こんなに武張ってるんでしょうね?カラタチ。

いくら棘を生やしても、アゲハの幼虫には食べられてますよ。

 

そう、アゲハの育つ木です。花はきれいだし、匂いはすてきだし。まあるい実はとても可愛い。

でも、こんな痛いものが畑にあっては耕作できないので、武装解除します。

畑の外の本体はそのまま、張り出している枝1本、1mくらいのですけど。

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どっさり。

舗装面に積み上げているのは、草の上に置くとステルス化して二次被害がおきるから。

往来妨害罪の意図があってじゃないですよ。ここ、畑ですし

 

農地法3条申請をして、農地を使用する許可を得たので、

耕作をして、耕作証明をもらって、それから農業従事者として家を建てる、

ために、農地法5条申請をして、この場所を農地転用して、接道のための通路にします。

 

ややこしいでしょ、簡単にわからなくていいです。

一応、図解しておきますけど。

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この、畑の中にある道の形をした部分、に棘が積んであります。

畑なので、閉塞しても往来妨害罪にはなりません。

でもこれ、全部確実に片付けないと車がパンクしますね。車が通るんです、この

暑いからって、だらだら作業していたら、ほら、クラクションを鳴らされました。

ごめんなさい、今どけますからね。

シリーズ「汚水処理」その④

フォトギャラリー「排水溝」

 

最近、道を歩きながら排水溝ばかり眺めています。

「犬を連れていると不審に思われないの法則」があるので大丈夫です。 

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前回、浄化槽の処理水を集落排水の汚水管に流しなさい、と言われて拳を握りしめたところまで書きました。

シリーズ「汚水処理」その④、最終回です。

 

合併処理浄化槽は生活排水を浄化して公共水域に放流するための設備です。

この公共水域が、この付近では集落排水の本管であるわけです。

なので、

せっかくきれいにした水を、わざわざ、100万円以上の工事費を払って、汚水管に流しなさいと。

相談者「それでは、頑張って仕事をした私の浄化槽がかわいそうじゃないですか」

 

世間ではあまり知られていませんが、私は微生物の愛好家です。

引っ越し荷物にちゃんと、こういうものを入れて持ってきています。

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なので、浄化槽を設置するのを楽しみにしているんです。

老後は顕微鏡と望遠鏡を覗いて暮したい所存です。

なので、

相談者「頑張って水をきれいにしてくれた私の微生物がかわいそうじゃないですか」

窓口の担当者を困らせるような文句を言います。

ここはしっかり困っていただく所存です。

 

そのとき、

「おや、いらしてたんですか?」

扉が開いて、背の高い男性が現われました。2か月前に相談にのってくれた方、「できない」を「できる」にしてくれた方、Yさんです。

「いかがですか、その後?」

ごめんなさい、せっかく「できる」にしてもらった集合処理、高すぎてできません。でも、浄化槽も高いんです。

相談者「ここに配管するようにとのお話ですが」

写真を示しながら、

相談者「なんか、それ、嫌です」

カウンターにはたくさん写真が並んでいます。マンホールの写真とか、崖の写真とか、通路の写真とか。

「うーん」

Yさん、しばらく写真を眺めていましたが、

「ここに側溝がありますね?」

ありますね。昔、団地が設置した側溝が、遺跡のように残っています。

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「この先は池ですか?」

池です。団地の排水で汚れた池です。今はましになりましたけど。

今度はYさん、カタカタ、パソコンを操作して、

「では、ここに処理水を流しましょう」

そんなこと、

相談者「できるんですか?」

いえ、私より、隣に座っていた若い職員さんが驚いていましたよ。

Yさん、もう一度パソコンに戻ってカタカタ、そして、にっこり。

「できます」

 

このシリーズの①で書きました。

排水溝→池→河川は認可を受けた排水経路です。

遺跡のような排水溝。忘れられた古い水路。が、ゲーム攻略の鍵でした。

って、FF4ですか?この話。

 

こうして私の浄化槽が救われました。頑張った成果を汚水管に流さなくてすむことになりました。

だけじゃないんです。

公道のアスファルトを剥いだり掘ったり張り直したりしなくていいんです。この費用、怖くて聞いてなかったです。払わなくてすむのでもういいです。

だけじゃないんです。

Yさん「配管は、ここからここへ。この経路だと、地下に埋める必要はないですね」

って、もしかして、

相談者「U字溝とかでいいんですか?」

Yさん「ホースでもいいです」

 

ホース!

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あります、こういうの。公園とかで投げやりに配管されてるの、たまに見ます。

 

団地の排水溝、一部分がうちの土地を通っています。設置したのは団地だけど、場所はうちの土地なので、

「ご自分の敷地の中の配管ですから、めんどうな決まりはありません」

ホースでも、塩ビパイプでも、素掘りの溝でも、

「お好きな方法でどうぞ。あなたの身になって考えてくれる、よい業者さんを探してください」

 

こうして、私の財布も救われました。

その後、とても良い業者さんに巡り会って、納得の排水システムができる見込みです。

家が建てば、ですけれど。

シリーズ「汚水処理」その③

フォトギャラリー「排水溝」

画像フォルダがこういう写真であふれているタブレットはおかしいと思います。

他に撮るものないんですか?

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さて、シリーズ「汚水処理」その③

前回、集合処理施設への接続を「できない、けどできる」ことにしてもらったのはいいけど、「工事費、そんなに高いんですか?」、厳しい現実に直面し、うなだれるところまで書きました。

ここで相談者は一旦退場します。そして2ヶ月後、再び市役所へ。

 

相談者「浄化槽にします」

集合処理の整備地区では浄化槽は使えません、本来は。でも、地域の特殊事情で「できる」ことになっています。ということを、窓口の方に説明するところから。

これ、行くたびに説明しなくちゃいけないんです。対応者が変わるたび。

担当者「そういうことなら」

納得いただいて、設置条件などの相談。

担当者「浄化槽なら、少しは安くなるでしょう」

少し?

担当者「合併処理浄化槽、5人槽の本体価格が50万。据付設置工事費が30万」

と、排水設備指定工事店の価格表に載っていますけど。

相談者「その5人槽、価格.comでは158,000円です」

担当者「それは安いですね」

いえ、お手許の価格表が高いんです。私はそう思います。

 

用語解説 合併処理浄化槽

生活排水を浄化して公共水域に放流するための設備です。所管は環境省。水をきれいにするのは微生物です。繊毛虫や、鞭毛虫や、アメーバや、細菌です。その処理能力は下水道と同等。

ですが、なかなかデリケートな設備です。微生物たちにちゃんと働いてもらうには、きちんと扱わなくてはいけません。なので、工事ができるのは公認の業者だけ。

公認業者の価格はさまざまで、うんとお高いところからお安いところまで。ちゃんとした仕事をしてくれる、良心的な業者を探しましょう。

 

で、

合併処理浄化槽、5人槽の本体価格を20万(以下)、据付工事費を20万(以下)、浄化した水の処理にかかる費用を10万として、合計50万(以下)で予算計上。これで排水設備をつくります。

 

と思ったら、

担当者「処理水を集落排水の本管に流してください」

なんですか、それ?

担当者「地下埋設管の工事費は7000円/m。あと、溜桝をいくつか設置して。あと、アスファルトの切断・掘削・復旧費用がかかります」 

なんですか、それ?

 

 

相談者「浄化槽の水は敷地内処理します」

敷地内処理。93番地家屋の伝統の処理方法。

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いえ、未処理水は流しません。合併処理浄化槽を設置します。浸透桝も設置します。

 

用語解説 浸透桝

浄化槽に縁のない都会にお住いの方も、雨水浸透桝はご存知でしょう。舗装下部の土に雨水を浸透させる設備です。都市型洪水を防ぐ、地盤沈下を防ぐ、ヒートアイランド現象を緩和する、など、いいこといっぱいあるので、設置が奨励されています。写真の土地には、まあ、必要のない設備です。

必要はなくても、雨水も、浄化槽の処理水も、地面に浸透させるつもりの相談者です。安いし。

 

が、

担当者「あ、それ、できません。うちの市じゃ」

 

敷地内処理。どこでもやってもいいわけじゃありません。土地によっては沼になります。そこらじゅうに沼ができたら困るので、土地の条件を見て許可する、という自治体が多いのですが。

担当者「うちでは一律禁止です」

なぜって?

設置した浄化槽が正しく管理されないかもしれないし。

(ゴミの不法投棄をする市民とか、違法電波を発信する市民とか、税金を滞納する市民とかがいて困っている市役所は、浄化槽を正しく管理しない市民がいても驚かない覚悟を決めています。はずです)

設備が壊れるかもしれないし。

(いつかは必ず壊れます)

何十年後かに壊れた設備を掘り出して修理するとかめんどうなので、しらんふりして使い続ける市民がいるかもしれないし。

(めんどうだし、お金がかかります。しらんふりして使い続けたくなるかもです)

そういうの、怖いし。

ということだと思います。

 

ですが、

相談者「浄化槽の処理水を集落排水の管に流すんですか?」

担当者「はい」

相談者「集落排水の管を流れているのは汚水ですよね?」

担当者「はい」

相談者「浄化槽がきれいにした水を、汚水に混ぜるんですか?」

担当者「はい」

相談者 「なぜ?」

担当者「そういう決まりです」

 

これでは、納得のいく排水設備はできません。絶対。