網戸のない家に侵入するもの、しないもの
この家、網戸がありません。
北の窓です。いかにもヤブ蚊が襲来しそうな景色です。
網戸、高いんですよね。
設置すべき場所全部に設置した場合の費用(材料費)を試算しました。10万円超でした。
設置箇所を1/3くらに厳選してなんとか、と算段しましたが、どうやって取り付けるんですか?網戸って外から付けるんですよね。面格子どうするんですか?
締め切っておけばいいって?
でも、私は開けっ放しが好きなんです。
2階はもっとめんどうです。
このフェンスの耐久性が不明。荷重かけたらもげそうな気がするんですよ。
フェンスに体重かけずに屋根に下りて、また戻ってくる方法が思いつきません。
と言っているうちに、7月も終盤。開けっ放しで生活しています。
開けっ放しなので、ときどき何か入ってきます。
びっくりしましたよ。振り向いたらいるんですもの。
なかよし?
と、
ご近所の犬が自由に出入りする家ですが、虫はあまり入ってきません。
蚊取り線香を使っています。蚊取り線香の匂い、昔から好きです。
と思ったけど、なんか違いますね。昔のものとは成分が違うようです。
残念だけど、これだと長い時間は使えません。短く折って、短い時間だけ使っています。
で、開けっ放し。
すだれで虫の侵入を防ぐことができます。コガネムシとか、大きい虫の。
目隠しもできます。昼間なら。
電気をつけると、御簾の奥の姫君の姿は隠せません。
なぜ虫が入ってこないのか、の謎を解くために、調査を実施しました。
サンダルをはいて、玄関を出て、10歩歩くと草叢です。
更に30歩歩いて、横手に回ってみました。
なるほど。
地面に広がっているのはドクダミです。奥に立っているのはヨモギです。ところどころにペパーミントもあります。
ここはそういう草叢です。
南側はどうでしょう?
以前、庭の手入れをすると宣言しましたが。
すみません、これが私の手入れの結果です。
アレチウリとイラクサとクズを刈りました。車の荷台いっぱい刈りました。
あと、名前の分からない蔓、雨樋と紫陽花をがんじがらめにしてるのを刈りました。
他は気にならないので放ってあります。ヨモギが元気です。
以上で調査は終了。謎は解けたと思います。
植物が放出する化学物質が、他の生物に阻害的、あるいは促進的な何らかの作用を及ぼす現象をアレロパシー(他感作用)といいます。
セイタカアワダチソウは地下茎から他の植物の成長を阻害する物質を放出し、あっというまに一面に広がります。アルファルファ、クローバー、ムギ、ソバなどにもこの作用がみられます。
虫媒花は甘い匂いで虫を呼び、針葉樹は清々しい香りに殺菌成分をのせています。
マリーゴールドを畑の近くに植えると、食害虫を作物から遠ざけてくれます。
ヒガンバナの根には毒があるので、モグラやネズミを忌避するために田の畦に植えられました。
ハーブはその匂いに病害菌や食害虫からの防御成分をのせていることが多いのですが、ドクダミ、ヨモギ、ペパーミントは強いアレロパシーを持つハーブです。
いえ、前から知っていたわけじゃありません。最近調べて知ったんです。アレロパシーという言葉もね。
この家の庭にヨモギが繁茂してるのも、ですから、ただの成り行きです。気にならないから放っておいたというだけの。
「家の周りに虫除けハーブを植えたけど、ちっとも効果がなかった」という話を聞きますが。
どこに違いがあるのかは判らないけど、この家はハーブに守られているのだと思います。「植えた」んじゃなくて「勝手に生えてる」草だから、あらたかな力があるのかも。
だって私、網戸のない家で、草ぼーぼーの庭で、開けっ放しで生活してるんですよ。
それで、虫に刺されないんですよ。
ということで、網戸はないままです。
ご近所の犬が入ってきて、人の後をついて歩きます。
そしてこうなります。
「下りられないなら、上るな」
ところで、その辺に勝手に生えてる草や木。
黙ってそこに在るだけの存在だけど、黙って蹂躙されているつもりはない、という在り方。
めちゃくちゃカッコいいですね。