花壇通信(春号)

今年始めてウグイスの声を聞いたのは先月22日。

キジは26日。

カエルが29日。

 

賑やかになりました。

 

花壇

冬の間、ずっと咲いていた花があります。

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クリスマスローズキンセンカ(冬知らず)。

 

張りつめた寒気の中で凍りながら咲いている花を見ると、私は思わず姿勢を正してしまうのでした。

 

春一番 咲いたのがこれ。

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初めて見る花。何?

アヤメに似てるけど、すごく小さいの。

 

こういうとき、便利なものがあります。

スマホで写真を撮るだけで、花の名前を教えてくれるアプリ

というものを、このときはじめて知りました。

へ~。

さっそく使ってみました、PictureThis

 

これはアイリス・レティキュラータというようです。

ああ、やっぱり、アヤメの仲間ですか。すごく小さいけど。

 

とかやってるうちに、もう1輪咲きました。

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この日はお休みで、とても暖かい日で、

洗濯機を2回回して、布団も干して、もうずっと、庭で過ごしていたのです。

 

次に咲いたのはクロッカス、その後にアネモネ、そしてチューリップ。

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以上、パープルセット

は、緊急事態宣言の合間に、東京から来た友人が植えて行きました。

咲いたら見に来るって言っていたけど、まだちょっと難しい。

「来年も絶対咲かせろ」って、圧力を受けています。

 

花は次々咲いています。

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スイセンスイセンスイセンスイセン

 

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チューリップ、ワタスゲ

 

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ワスレナグサムスカリ

 

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クリスマスローズキンセンカ(冬知らず)も、まだ。

 

他にもいろいろ咲いて、ここはまるで花園です

というのは、ごめんなさい、嘘です。

うんと近くでシャッター切った花園詐欺。

ちょっと離れると、こう。

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よく言って原っぱ?普通に荒れ野?

まあ、悪くはないと思います。

 

これとか、これとか、これとか、

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に較べれば。

普通に歩けるし。生活に支障なし。悪くはないと思うのです。

私は

 

Kさん

Kさんはここをこんなふうにしたいと言うのです。

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あら、素敵。

って、まじですか?

 

Kさんこういう人です。

aldertree.hatenablog.com

最近ちょくちょくみえます。あれこれやっていきます。

おかげで謎がひとつ解けました。

私の植えた花たちがこの庭から消えてしまったの謎。

 

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これはシャクヤクです。

2年前に私が植えました。1度は花も咲きました。

咲いて、散って、その後、周りに伸びた草に埋もれ、存在が分からなくなりました。

分からないので躊躇なく、刈払機を入れました。

この辺一帯、ぶーん、薙ぎ払いました。

もちろん不注意です。

ですが、まあ、真夏に1,000坪の草刈りはしんどいのです。言い訳です。

 

去年、花は見られませんでした。

 

それでも株は生きていて、早春に細い芽を出しました。

私は気づかなかったけど、Kさんがみつけ、

「ここに何か植えましたか?」

「・・・そういえばシャクヤクを」

その後の数分で、周りの草が除かれ、堆肥が置かれ、目印の棒が立てられ、

「時々水をあげてください」指示が下され、

 

こうしてシャクヤクは救われました。

だいたい同じ経緯で、イチゴとツユクサとエゾミソハギが救われました。

花はなぜ消えた?の謎も解けました。

 

で、Kさん、この庭をこんなふうにしたいと言います。

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人が幸せになるためには、適切な欲求を持つといいです。

難しすぎず、簡単すぎず、がんばって実現する欲求。

レベルが高すぎたり、低すぎたり、ベクトルがまちがっているのはよくないです。

で、これ、

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どう見ても適切とは思えないんですが。

無理、というか無謀

 

でも、まあ、やるのは私じゃないし。

Kさんが「やる」って言うので「やりたまえ」言いました。

えっ?私も手伝うの?

あら大変。

 

ついでに畑の話を

おととい畑を通りかかったら、菊が植えられていました。

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この方、

aldertree.hatenablog.com

この方の丹精で、ジャーマンアイリスが育っています。今年は見事に咲くでしょう。

で、その後に菊?

 

もちろん素通りはできないので、車を降りて手伝います。

「どんな菊ですか?」

「いい菊です」

「色は?」

「いろいろ」

うーん。まるでイメージが湧きません。

 

 

私の庭も、畑も、これからどうなるか、ちょっと私には分かりません

なかなか楽しい春です。

 

震度6

一昨日は偶々、仕事帰りに買物をして、車の給油もしたのでした。

偶々、いつもより早くベッドに入ったのでした。

 

運が良かった、と思います。

 

スマホの警戒警報が鳴ったのは、すでに随分揺さぶられた後で。

どんどん揺れがひどくなり、掛布団を頭の上に引き上げた後でした。

そのまま、揺れが収まるまで、犬を抱いて布団を被っていました。

リビングで何か落ちる音、壊れる音がしていました。

 

揺れが収まると、立て続けにLINEが入りました。

「無事ですか?」東京から。

こんなところに一人で住んでいるので、心配をされてしまうのです。

今テレビを見ていると、なるほど、この地方の被害にびっくり。

令和元年台風19号のときもそうでした。先日の大雪のときも。

「大丈夫ですか?」

いつも、申し訳ないくらい、私は無事です。

 

少しすると、今度は職場のグループLINEが鳴りだしました。

「皆さん無事ですか?」

全員から「無事です」返信。

よかった。けど、

「家の中がめちゃめちゃ」

「ガスが止まりました」

なんて人も。

「今から水を買いに行きます」

「ガソリンスタンドに並んでます」

って、ああ、気をつけて。

 

私の家は、時計と水差しが棚から落ちて壊れただけです。

工務店さんから「家大丈夫ですか?」の電話があったときも、

「今のところ気づいた点はありません。よい工事をしていただきました」と答えました。

工務店さん、ご自分が建てた家1軒1軒に電話をされていたようです。

「深夜にすみません」って。

まあ、あの揺れで寝ていた人はいないでしょう。

「何かあったら伺います」って。

そういう方が建ててくれた家です。

 

「心配するしかできない。ごめん」

友人の一人は、2時過ぎまで報道を追っていたそうです。

その時間には、ごめん、私寝てました。

明日も朝から仕事です。

 

のつもりだったけど、

翌朝、職場から連絡があって。

「本日は休館になりました」

被害確認と設備点検のため休館。

まあ、そうですよね。なら、もうちょっと寝ます。

 

そして、完全に日が昇った頃、のろのろ起き出した私です。

穏やかな、とても暖かい日。

家の周りをざっと見て、

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積んだタイヤが崩れているのと、

 

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氏神様が曲がっているのを発見しました。

 

我が家の被害は僅少。

ということで、

ご近所のご老人の家を見に行きました。

車検切れで車が使えない方と、お一人でいらっしゃる方の家。

みなさんご無事でいらっしゃいましたが、

「余震に気をつけてください」

「明日から天気が悪くなるそうです」

「買物頼まれます。灯油は切れていませんか?」

灯油、大事です。

この辺の家はだいたい石油ストーブを持っていて、これは災害時、暖房にも、照明にも、調理にも使えます。電気、ガスが止まっても、石油ストーブがあれば凌げます。

あとは水。ですが、近くに井戸をお持ちの家があるので、分けてもらえるので大丈夫。

米や味噌は1年分まとめて買ったり貰ったりする方が多いし、野菜はその辺の土に生えています。今の季節ならハクサイ、ダイコン、ネギ、ニンジン。

ついでに言うと、トイレ。も、非常時は「穴を掘って埋める」方法が使えます。

 

家に戻ると、私のところにも来てくれている人がいました。

お仕事の途中に、トラックで。

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えーと、私も一人暮らしの老人?だから?

まあ、老人の定義によります。

 

今日の天気

今朝の天気。

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こんなの初めて見ましたよ。

何これ?

 

着氷性の霧(Freezing fog

微小な過冷却の水滴が浮遊する気象現象のこと。

だそうです。

お仲間に着氷性の雨(freezing rain)があります。

氷点を下回っても液体のままの過冷却状態の雨

だそうです。

 

一般常識として、水は氷点で凍ることになっていますが、諸般の事情により液体のままでいることもあり、

凍るべき温度で凍っていない過冷却の水は、隙あらば凍りたいと思っています。

ちょっと衝撃を与えてやると、

www.youtube.com

 

それか、氷の「種」を与えてやれば、

www.youtube.com

 

私はこれを見て「猫のゆりかご」を思い出しました。

ずっと昔に読んだ本、カート・ヴォネガット・ジュニアの小説です。

 

ところで、東京の友人に今日の天気の話をしたら、

過冷却の実験やった」と返ってきました。

さすが、東○理科大の研究室の秘書さん。

私は実験はしたことないけど、体験をしましたよ。

 

1年前の冬は記録的な暖冬で、2年前の冬も暖冬でした。

寒かったのは3年前です。

東京から来て初めての冬。が、ひどく寒かった。

そう、着氷性の霧が出るくらい。

ここに書いてある、

橋を渡ったところで視界が霞んできました。

は、着氷性の霧です。今にして思うと。

このときは雪が降っていたけど、降雪時に霧が発生することもあるそうです。

水面に雪が降ると霧が出やすいと。

だから橋は恐いのです。

フロントガラスがいきなり着氷して視界がなくなるの。

いえ、あらかじめヒーターをがんがんに効かせておけば大丈夫なのですが。

でも私、車運転🔰で、寒冷地の冬🔰でした。

今年の私は大丈夫。

 

と言いたいところだけど、

ある晴れた休日、なんとなくボンネットを開けてみたら、

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あらら、

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ウインドウォッシャー液が凍っていました。

 

危ないじゃないですか。

着氷性の何とかとか、この辺ではそうそう遭うもんじゃないですけど、

あれ以来遭ってませんけど、

もし遭ったら、

って思うとね。

私ってば普段、ヒーターをがんがん効かせて走ったりしませんもん。

 

ところで、

私の夫、東京生まれの東京育ち、はウォッシャー液に夏用・冬用があるのをご存じありません。

いいですか?冬用はこれです。

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凍結温度-60℃。

ちなみに、夏は「虫除け入り」を使います。私。

 

さて、現在の天気。

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低温注意報は消えました。

朝より気温は低いのだけど、どういう決まりなのかな?

まあ、昨日に較べれば暖かです。

 

年越し寒波の最中を「虫よけ入り」で走っていたのは謝ります。

どうかこの冬を無事故で乗り切れますように。

謎の種

私のところにも届きました。

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というのは7月のことで。

今更書くことじゃないですね。

最新のトピックはこれ。

 

大量の綿毛。

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が、まとまって地面にありました。

何?

 

先日みつけました。藪払いをしている時にです。

その日はよく晴れて、暖かく、そして私の休日でした。

家の前の畑でご老人が作業をしていました。

私は急須でお茶を淹れ、お盆で運んで、ご老人と一緒に飲みました。

それから藪払いをしました。

 

この藪に、

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キジの親子が棲んでいます。

夏と秋、遠慮して踏み込まないでいたら、蔓がはびこって酷いことになりました。

キジの巣立ちっていつなの?

この時期にまだ親子連れでいるのです。

でも、もう幼鳥も飛べるようになったし。

払いますよ、蔓。

ということで、

ずんずん踏み込んで行ったら、

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ふんわり、ふわふわ、

何?

 触るととても暖かいのです。

 

アザミの種に似ています。

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似てますが、

アザミの種は風に吹かれて茎を離れるのです。

こんなふうにまとまって地面にあるとか、へん。

というか、こんな軽い物体がまとまって落ちているのがへん。

どうしてまとまって落ちてるの?

 

という謎に出会ってしまいました。

解明しなくちゃ。

 

求めよ、さらば与えられん。

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答えは目の前にありました。

私が払っていた蔓、

 

 の構成員。

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なるほど、サヤですか。

これが地面に落ちて、そこから種がもこもこ出てきたと。

そういうわけでまとまってあったのね。

理由は判りました。

で、何?

 

 

ガガイモ

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その姿と名前から、ヤマイモの仲間と思ったら、まちがい。芋はできないの。

キョウチクトウの仲間だそうです。

キョウチクトウったら、あれですよね?

アルカロイド

 

毒蝶

アサギマダラという蝶がいます。

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海を超えて渡りをする蝶です。

本州から沖縄、小笠原、台湾まで飛んだ報告があります。

で、そのアサギマダラ、毒蝶です。

幼虫が毒草を食べて、体に毒を蓄えて毒蝶になります。

この毒は外敵に食べられないようにの防御用なので、ドクガみたいな、近づいたら危険とかの怖いのではないです。

(ドクガは風で毛針を飛ばすので、触らなくても、近づいただけで酷い目に遭うことがあります。私は以前酷い目に遭いました。すごく痛いです。)

アサギマダラは触っても痛くなく、夏、その辺にひらひら飛んでいた気がします。

 

で、そのアサギマダラの幼虫が食べる毒草がガガイモ

ということを、なぜか私は知っていました。

我ながら妙なことを知っています。

でも、ガガイモを見たのは初めて。

いえ、葉とか蔓とか、たぶん毎年見てるのだろうけど、ヤマイモと識別がついてないのでノーカウント。

見るって、そういうことですよね?

 

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キジのせいです。

キジのせいで、この時期まで藪払いができなかったので、こんなに見事に結実しました。

うっとりするほどきれいな種です。

 

雑記

ちょっと近づいては後ずさり、

ふいに駆け寄り、

ためらうように側にいて、

ふと離れていく。 

そんな、恋愛ゲームみたいな感じで、冬がそこにいます。

 

ハクチョウ

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渡りの途中というより、短い引っ越しでしょうか。

ちょっと前から、近くの川にハクチョウが来ていることは聞いていました。

それが、先日、

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河川道の掘削工事が始まって、困ってるだろうと思っていました。

川に沿って飛んでいます。

上流に向かったようです。

 

これは判りやすい。

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これも判りますけど。

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こういうのはちょっと。

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うっかりキーボードに落としたら、挟まってしまうぺらぺらさ。

こんなんが育って、大きな花を咲かせるとか。

 

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ヤマユリ

まあ、種を蒔いても咲くのは5年後です。

 

ヤマユリはふつう、球根で育てます。

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ちょっと変わった球根で、下と上に根があります。

下の根が体を支え、上の根が養分を吸収する分業体制。

この吸収根に小さな球根がつきます。

でも、ちゃんと種もできるのです。

まあ、種を蒔いても咲くのは5年後です。

が、

せっかくの種ですし。

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ここにあっても、石畳に散って掃除されちゃうし。

いただいていきますね、私。

本当はいけないのかもしれないけど。

ここ、美術館の庭ですから。

勝手にむしるのは違法かもだけど。

 

ぷちん。

 

いただきました。

私の山に蒔きます。

5年後には絶対忘れてると思うけど。

 

 

散歩

太陽は美しいと思います。

特に朝日。

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というのは、最近夕日を見ないからですが。

最近の日の出は6時半。日の入りは16時半。

こんなにもさっさと日が沈んでしまうので、朝日を見るしかないのです。

 

朝日を見ると、ちょっと庭に出てみたくなります。

パジャマの上にもこもこを着て、ちょっと出てみます。

扉を開けた隙に犬が飛び出します。

仕方がないので付き合ってその辺を歩きます。

好きでやってるわけではないです。

 

イチョウ、コナラ、トンビ

街から家に行く道に姿の良い木が見えます。

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この正面の木。

見えるのはほんのちょっとの間です。カーブとカーブの間の短い直線。

なので、最近まで気づかなかったのですが、

 

これ、私のイチョウです。

 

ご存じない方もいるかと思うので書きますが、

私は方向音痴です。

方向というか、空間認知一般がだめ。

なので、今更気づいて喜んでいますが、

まともな感覚の持ち主なら、いっぺんこの道を通って私の家に来たら、

2度めにはきっと気づくことです。

 

私のイチョウ

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ところで、上の2枚の写真はちょっと前に撮ったものです。

最近のはこれ。

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なんか変でしょ?

イチョウの足元が赤いの。

 

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イチョウの足元が赤いの。

 

赤いのはコナラ。

イチョウは崖の上にいます。コナラは崖の途中にいます。

それで、コナラのてっぺんがイチョウの下枝と同じ高さで、

それで、イチョウの一部に見えてしまうのです。

それで、私、今までこの木をあまり見ていなかったけど、

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コナラも一人前の木です。

なんか、今まで、ごめん。

 

 

ところで、トンビって日向ぼっこをするのですか?

地面の上で?翼を広げて?

 

なぜいきなりトンビの話になるかというと、

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今日ここでトンビを見たのです。

 

ここは3枚目の写真の左端の場所。

崖のコナラに申し訳ないことをしたので、他にも失礼をしている木がいないか、確認に来ました。

3枚めの写真の左端の赤いの、ケヤキでまちがいないよね?

とかいろいろ。

 

そしたら、トンビがいたのです。

体はカラスよりちょっと大きいくらいですが、翼開長は150センチもある鳥です。

それが、地面の陽だまりにぺったり翼を広げていたのです。

ねえ、鳥がそんな格好をしているの、見たことある?

 

もちろん、トンビはすぐに飛び去りました。

あっという間に上昇気流を捕まえて、舞い上がっていきました。

でも、たぶんこの場所が好きなのだと思う。

陽だまりがあるし、上昇気流があるし。

それに、すごくぺったりと、気持ちよさそうでしたもの。

 

以上、

落葉のイチョウ、紅葉のコナラ、休息するトンビ、のお話でした。

そろそろ秋もお終いです。

 

落葉

闇の底がほの白い、そんな光景です。

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6時26分。

太陽はまだ山の向こうにあります。

 

この白さは空から降りてきたものではありません。

よく晴れた風のない夜、放射冷却で熱を失った地面に、空気中の水蒸気が触れて昇華しました。

 

初霜。

 

やがて太陽が顔を出すと、 

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僅かの間に霜は消えます。

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こうして始まった一日はとても明るい。

 

霜が降るのは、よく晴れた、風のない日です。

風もないのに、

 

私は長いこと、この落葉を眺めていました。

長いこと、この落葉は続いていたのです。

 

イチョウは自ら葉を落としていました。

イチョウがそんな木だとは知りませんでした。

この家に住んで2年あまり、毎日見ていた木ですのに。

 

なにかとても、大事なものを見た気がしました。