シリーズ「汚水処理」その②
カレーを作ろうと思ったので、これを買いました。
シリコンスパチュラ。
カレーの鍋をこれでこそげます。こそげると鍋がきれいになります。洗い物がらくになります。
普通にヘラとしても使います。使い勝手の良いヘラです。
安いし。
あと、これを買いました。
風呂水給水ホース。
この家、お風呂が沸かせません。けど、入れます。風呂桶と給湯器があります。
このホースを使って、お風呂のお湯で洗濯します。
お湯が温かいうちだと、石鹸ちょっとで洗濯できます。
液体石鹸を使っています。粉石鹸は使いにくくてらくじゃないです。
それと、これ。
ふわふわの風呂洗い。
屈んで風呂桶を洗うのがしんどいので買ったのですが。
風呂洗い、これでこするだけ。らくです。
と、
汚水処理のことが頭を離れないと言いながら、らくをすることばかり考えています。
いえ、自分が建てる家には納得のいく排水設備をつくります。これ、全然らくじゃないです。
私が家を建てたいところ、農業集落排水の整備地区です。
「この辺に家を建てたいんです」
普通に市役所に行って相談したら、
「集落排水に接続してください」
と言われました。でも、別の日に行ったら、
「集落排水の接続はできません。浄化槽を設置してください」
と言われました。こういうこと、けっこうあります。慣れました。
結局、
「集落排水でも、浄化槽でも、どっちでもいいです」
になりました。
どっちでもいい、は普通ありません。
集合処理施設の整備地区では、既設はともかく、新築で浄化槽は認められません。
ちなみに、汲み取り式のトイレも、既設はOK、新築はNGです。
が、93番地の周辺は、なんだか普通じゃないんです。
インフラを整備するときは、必ず利用者数を見込んで整備します。現在、だけでなく、将来に渡っての利用者数。
人口10万人の都市で、10万人きっちり分のごみ処理施設とか汚水処理施設とか、はつくりません。処理能力に余裕を持たせるか、拡張性を付与するか、します。普通。
が、93番地の周辺は市街化調整区域です。
「旧・住宅市街地造成法」による開発で数百戸分の宅地が分譲されましたが、その後は、こんなめんどうな場所に家を建てる者もいないだろうということで、処理能力ぎりぎり、拡張性ゼロの汚水処理施設がつくられました。
正しく将来の利用者数を見込んでの整備です。
ということで、
「集合処理の整備地区では、集合処理を利用しなくてはいけない」けど、
「処理施設に余裕が無いので、新規接続は受け入れられない」と、
相談を受けた担当者が頭を抱える事態になりました。
相談者「どうしたらいいですか?」
担当者「集落排水への加入を認めましょう」
おや、できるんですか?
担当者「普通はできません。けど、できます」
以前からこの場所に家があるわけだし(明治時代からあります)、周辺の人口も増えてないし(むしろ減ってます)、他にもあれこれ事情を斟酌して、
担当者「あなたの家、一戸くらいならなんとか」
この方、とても良い方です。私はそう思います。
さて、費用ですが。
担当者「公道に埋設してある本管まで管を引きます。工事費は1万円/m」
本管までの距離は150mです。
担当者「敷地内に公共桝を1個設置します。30万円。あと、傾斜地なので減勢のための桝をいくつか入れます」
これで200万円オーバー。
担当者「あと、本管の接続工事でアスファルトの切断・掘削・復旧費用がかかります」
農業集落排水はがっつり行政が管理しているので、工事を頼めるのは市の指定業者だけです。その価格は、自由主義経済の競争原理とは別の次元で設定されています。
「工事費が高いのが気に入らない?だったら工事をしなけりゃいい」です。
工事をしない場合どうなるか?どうもなりません。
この辺ではまだ、昔ながらの排水設備(垂れ流し)を使っている家があります。
「集落排水に繋ぐよう奨められたけど、高いので断った」その家は、特に行政からお叱りを受けることもなく、昔ながらの排水設備(垂れ流し)を使い続けています。どうもなりません。
念のため聞きます。
相談者「もし私が93番地の家に住むといったら、排水設備(垂れ流し)、今のままでいいんですか?」
いいそうです。
でも、近くに新しく家を建てるなら、排水設備(垂れ流し)は使えません。建築確認申請が通らなくて、家が建ちません。これではどうもなりません。