用土に苦労する

115番1、面積3,058㎡。

5月に油圧ショベルを入れました。

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ここに用土を入れます。

ブルーベリーは酸性・有機質・水捌けの良い土壌を好みます。針葉樹の端材で良く育ちます。

針葉樹の端材、ふつうは作物の用土には使いません。殺菌作用が強くて、植物の生育を阻害するからです。むしろ、雑草よけのマルチングに有用です。

ですが、ブルーベリーは元々針葉樹帯の堆積土壌の植物です。針葉樹との相性がいいのです。

スギ皮、特に根元の土混じりの部分は廃棄されることが多いので、これを用土に使おうと考えました。

 

「使えるものが手配できたら、運搬と鋤入は引き受けます」

私の土木業者さんが言ってくれました。

「使えるもの」を探します。

ネットで探せばみつかると思ったんですけどね。

あてが外れました。

そういえば、私が頼りにしている土木業者さん、設備業者さん、測量事務所さん、HPとかありません。この方たちとのご縁は、「いい人がいますよ」地元の方が繋いでくれました。

ですが、今回探しているものについては、地元の情報が入りません。

役所の農林課なら判ると思ったんですけどね。

そこでも、「もしかしたら扱っているかもしれません」の業者を1つ、教えてもらえただけです。

 

その、「もしかしたら」のところに行きました。

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木材製造共同組合。は山の中、広大な敷地にありました。辺りいちめん木の匂い。

事務所の方はとても親切で、

「スギの皮を譲っていただけますか?」

いきなり押しかけて頼み事をする私に、

「使えるものがあれば」

施設を案内してくれました。

 

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この、無蓋貨車みたいなのが丸太の皮を剥く機械。手前の山が皮。

これを分けてくださるそうです。量もたっぷりあります。

が、

長すぎます。

手のひらに載るくらいのものがほしのですが、

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この長さだと、畑に鋤き込んだり敷き詰めたりができません。

「もう少し短いものはありませんか?」

ないそうです。破砕する機械もないそうです。残念。

でも、

「知り合いに適当なものを扱っている業者がいるので、話してみましょう」

木材製造共同組合の方、とても親切です。

 

数日後、「適当なものを扱っている業者」さんから連絡がありました。

ざっくり話をしたところ、条件に合う商品をお持ちのようです。

「後日伺います。また連絡をしますので」

言って、電話が切れたのですが。

その、「また連絡」がなかなか来ません。2週間待ちました。こちらから電話しました。

電話の翌日、業者さんは飛んできて、畑と、周りのあちこちを見て行きました。林のスギをまるごと買い取りたいと言いました。用途は薪。

「これだけのスギを持っていれば、昔ならちょっとした財産になったけど、今はだめですよ」

承知しています。

「どこに売ってもこの程度の金額でしょう」

承知しています。

「持っていてもやっかいなだけでしょう」

別にじゃまにはなりません。

切った方がいいのは分かっています。切るときは大事に切ると決めているんです。

という話は、どうやら通じませんでした。

家を建てる場所も、

「ここに建てるのは大変でしょう。あっちにしたら?」

隣の雑種地を勧めてくれます。

いえ、あっちじゃなくてこっちに、建てたいんですよ、私は。

 

とにかく、用途に合う商品をお持ちとのことで、見積をいただくことにしました。115番地の畑全部をいきなり、は無理なので、とりあえず1,000㎡くらいで。

「会社に帰ったら、すぐに見積を送ります」

 

その、「すぐに」が届きません。1か月待ちました。

待ってる間に、私の畑は草叢になりました。

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これでは耕作証明は出ません。

 

もちろん、手をこまねいて待っていた私がいけません。

あてにしていたものがあてにならない。こともあります。

なら、今できること、自分でできることをやりましょう。

 

とりあえず、畑を歩いてみます。

ここは私の畑です。隅から隅まで歩くのは初めてです。

ショベルの作業の跡は凸凹で、ときどき足をとられます。思ったより水捌けは良く、ぬかるみはありません。土の固い所と柔らかい所があって、生えている草も違います。

上の写真、足元に生えているのはエノコログサとかイヌビエとかカヤツリグサとか。あと、場所によってマツヨイグサツユクサヨモギ、スギナもあります。だいたいが素直な草で、怖い草、セイタカアワダチソウヤブガラシはありません。よかった。

で、後ろにあるのは、、、何でしょう?

高さは2mあまり。畑の縁の、ちょっと高い部分に群生しています。

下は5月の写真ですが、

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この左側の、土手のような所に並んでいます。

高さは2mあまり。夏空に向かってまっすぐに立つ姿は逞しく、

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 これは非木材パルプの原料として有望ではないでしょうか?

またはバイオマス発電源として?

ケナフのように?

そしたら私、手に入らない用土を探すのを止めて、エネルギー作物の生産者になります。

なんて、突然湧き上がる期待にわくわくしながら、草の正体を調べます。

 葉の形:掌状、奇数の裂

 葉縁の形:鋸歯

 葉のつき方:対生、長い葉柄

 草丈:2mあまり

で、検索。こういうときはやはりネットです。

判りました。オオブタクサでした。侵略的外来種ワースト100認定。そして、代表的な花粉症の原因植物。

あら、大変。 

 

草薙の剣

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刃は円盤です。動力は2ストロークエンジンです。

これで草を薙ぎ払います。

以前から欲しかったんです。ホームセンターに行く度に眺めていました。

指を飛ばしたとか、失明したとか、怖い話がいっぱいあるので、私に使えるかどうかが判らないので、買うのをためらっていました。

使えるかどうかは、使ってみなければ判りません。

オオブタクサには花穂が見られます。開花まであと数日といったところ。ためらっている暇はありません。

買いました。刈りました。

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全部、薙ぎ払いました。

ついでに、

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115番1、全部刈りました。

 

草刈りをしている間に、いろいろ考えたことがあります。感じたことがあります。

それはまた、書きましょう。