種を蒔きます
その日、私は朝から池の周りをうろうろしていました。
5月2日、115番地に種を蒔きました。
種を蒔く場所は、何回かに分けて管理機を入れてあります。
畝の方向に2回、逆転と正転で。畝に直交するように2回、逆転と正転で。
逆転とは、管理機のローターを進行方向と逆に回すことです。爪がしっかり地面に食い込んで、ダイナミックに耕せるのが楽しい。
正転は進行方向にローターを回します。スピードが出て、さくさく耕せるのが楽しい。
そして前日、畝の形にもう1度、管理機を入れました。いえ、3度。
土の塊がゴロゴロしてるけど、何度やってもあまり変わりません。
「こんなんでいいですか?」ご指導いただくご夫妻に聞いたら、
「もうちょっと細かくして」
ですよね。
でも、管理機で何度耕しても、ゴロゴロのままなんです。
ゴロゴロの土を細かくする方法、ないですか?
ありました。
①篩にかける
歩留まりが悪すぎます。
②ローラーで轢き潰す(そしてその後、管理機で起こす)
ローラーがありません。
③糠を鋤き込む
糠は精米所でもらえます。ただし、鋤き込むのは秋。
冬の間に発酵した糠が、土をふんわりさらさらにするそうです。間に合いません。
④枯れ葉を鋤き込む
発酵した枯れ葉も、土をふんわりさらさらにしてくれます。
じゃなくて、
ぱりぱりの乾いた枯れ葉を、ぱりぱり鋤き込んで、土の粒子に隙間をつくります。
いいですね、これ、採用。
ということで、
朝から池の畔で落ち葉掻き。
この時期に、山盛りの落ち葉がすぐに集まりました。すごいですね、ここ。
ちなみに、竹は春に落葉するんです。これからするんです。
竹の葉は分解が遅いので、ここには1年中落ち葉があります。誰も片付けないからね。
さて、枯れ葉の効果の程は?
おお、すごい。
と、やってるところに、トラックが来ました。本日の先生がみえました。
私「こんなんでいいですか?」
先生「よく頑張ったね」
えっへん。
で、耕耘はOK。いよいよ畝をつくります。
ところで、なぜ畝をつくるんですか?
答えは、
①何をどこに植えたか判るようにする
②水はけをよくする
です。他にもあるけど、私の場合はこの2つ。
今回はマルチを張るけど、マルチがなくて畝もなければ、種を蒔いた場所が判らなくなりますよ。
そして、畝がなかったら、雨が降ったら水没します。雨が止んでも暫らく水浸し。
それじゃ困るので、畝をつくります。
畝には高畝と平畝があります。今回は簡単な方の平畝。
で、畝のつくり方ですが、
普通、畝は「立てる」といいます。つまり土を盛り上げます。
が、私はずっと「つくる」と書いています。
私の先生は土を盛り上げないんです。周りの土を掘り下げました。
耕耘した土の周りを、鍬の刃の幅だけ掘り下げました。さくさく。
なるほど、この方が簡単です。
畝ができたらマルチを張ります。
シートの端っこを土に埋めて、畝の上にころころ広げて、畝の長さで切る。
あ、畝の長さはあらかじめ麻ひもで測ってあります。先生が測ってくれました。
そして、シートの残りの3辺も土に埋めて、できあがり。
マルチを張ったらネットを張ります。
用途が判らなかった杉板、ネットをぴんと張るために使うんでした。
網目に合わせて、ノコギリで刻みを入れて使うんです。
以上で、種撒きの準備ができました。後は蒔くだけ。
というところで、雲行きに変化が。
この日は暑くもなく、寒くもなく、とても作業のしやすい日でした。
前日まで夏日が続いて、地面はからからに乾いていました。
それが、
種を蒔いて、蒔き終わったところで、ぽつりぽつり、
芽出しの雨。
ほら、私、運がいいでしょ?