寝室の窓の外でセミが羽化しました
朝、テラスのデッキにいました。ミンミンゼミ。
ここです。
場所は東京。時間は夕方。
あの夏、私はたくさんのセミの羽化を見ました。
幼虫は地下のちょっと深いところで育ちます。
羽化が近づくと地面の際まで上がってきて、外の様子を伺います。
うっかり雨の中に出たら羽化できないので、じっと、よいあんばいの日を待ちます。
セミの穴を見たことがありますか?
アリやモグラの穴と違って、掘り出した土がありません。内側は漆喰で固めたようになっています。
セミがその生涯で摂取するのは樹液だけです。摂取して、消化して、排出する際に土を固めます。
そうやって、堅牢な住居をつくります。そして、長い年月を土の中で過ごします。
ところでテラスのミンミンゼミ、どこから来たのでしょう?
デッキの下はコンクリートです。犬走りの下には防草シートが敷いてあります。
というか、辺りいちめんショベルで派手に掘り返しましたよ、先週。
長い年月を土の下で過ごしたセミが、ようやく羽化の時期を迎えた時、地面の様子がすっかり変わっていた、というのはあることでしょう。
たぶんこのセミ、その辺を重機が走り回っていた間、地下の深くに退避していたのでしょう。
辺りが静かになった今、地表に出てきて、大人になることを決めたのでしょう。
そう、工事が終わりました。
私の家ができあがりました。