見えてる。けど見てない。

週末の朝、がらがらの4車線道路を気持ちよく走っていたら、こんな景色に会いました。

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きれいな植栽。

実は、ここは何度か走っています。以前から植栽はありました。

でも、私が目を留めたのは初めて

 

人は関心のないものは意識に乗せません

それだから、喧噪の中で大切な人の声が聞きとれるのですが。

注意力というのは、関心の幅と強さに関係すると思います。

私は日常生活に必要なだけの充分な注意力がないので、困った日常を送っています。

 

それはともかく、

 

この日は植栽が目に留まりました。みごとだなと思いました。

たぶん、私が草を植えているからです。

 

もちろん、これまでもたくさんの植栽を見ています。

立派だったり、きれいだったりするのを、たくさん。

特に好きなのは国立昭和記念公園の植栽で、東京を離れる前、最後にやりくりした時間で見に行きました。

3月、立川は春でした。

 

それはともかく、

 

この植栽が格別立派というわけではありません。昭和記念公園にはかないません。

でも、最近草を植えている私は、以前は見なかったものを見たりします。

たとえば、

この花壇を作るのに、どれだけの手間と費用がかかるのか、

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が、ちょっと見えます。

8種類の花が咲き揃っています。開花期を外したものはありません。

これはなかなかすごいことで、

その労力と費用はどこから?

が、気になります。

答えはすぐに判りました。看板がありました。

これは、行政がやってる「街をきれいにしましょう」事業の植栽で、費用は市から出ています。手入れは地域のボランティアの方々がしています。

なるほど。

 

と、近くに寄ったところで、気になるものがありました

写真左下の青い花、ミントです。

なぜ気になるかというと、最近ミントテロという言葉を知ったからです。

ミントテロ、知らない人はググってください。たいそう恐れられていますけど。

ミント、この辺ではよく見かけます。青いの、白いの、ピンクの、いろいろ。他の草に混ざって立っています。

「他の草を駆逐して一面に広がる」姿は、、、見ていません。

これはきっと、あれですね、

イギリスからオーストラリアに運ばれた24羽のウサギが、天敵のいない大陸で、80年の間に3000万羽以上に増え、生物学的災害を引き起こした、的な。

実は私、庭にミントを植えることを検討しています。

もちろん、その繁殖力に期待して。

どうでしょう?アレチノギクに勝てますか?

 

ところで、この花壇にはマルチングのシートが張ってあります。

写真では白いペチュニアの根元に見えますが、これが全面に張ってあります。

花壇にマルチ、というのは理にかなうと思います。水もち、肥料もちが良くなるし、雑草や病害虫の対策にもなります。

でも、花壇のマルチ、初めて見ましたよ。

昭和記念公園にありましたっけ?小金井公園にはなかったでしょ?

もしかして、あっても見てなかっただけですか?。

とにかく、この辺の人たちはマルチを使い慣れています。

私としては、「花植えるんならマルチ張るだろ」勢いで張っちゃったところを想像します。この想像、なぜか楽しくて。

 

と、長くなりましたが、もう一つ、書いておきましょう。

遠目に花壇を見た時、もう一つ、気になるものを見ていました

背後の斜面です。

「あそこを覆っているのは、例のアレですか?」

近づいて見てみます。

はい、クズですね。

 

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以前も紹介しました。このスケールは私が被った被害に基づいています。

アレチウリ、クズ、フジ、が3強。

 

これまでアレチウリについてはたくさん、

aldertree.hatenablog.com

フジについては少し、

aldertree.hatenablog.com

書きました。クズのことは書いていません。

なんかね、ありふれすぎてるんですよ。どこにでもあるでしょ?

って、ランキング上位に失礼な言い草。

なのでちょっと書いておくと、

 

クズ

多年草です。丈夫です。

日陰は苦手ですが、蔓があるので、高所をとって陽光を確保します。

陽光にありつけば、どんどん伸びて勢力を拡大します。夏季は1日に何十センチも伸びます。

年を経た蔓は太く、丈夫で、殆ど木ですが、分類上は草。

この根から葛粉が採れるけど、簡単に引っこ抜いたりはできません。精製も何段階も工程があって、こんな面倒なこと、誰が思いついたんでしょうね?

 

で、3種の蔓の棲み分けは、

クズはどこにでもいます。

蔓が地面に触れるとそこから根を出します。そして、どんどん広がります。

アレチウリはほんと、荒れたところ。

ものすごい数の種で増えます。クズを凌ぐ成長速度で、あっという間に辺りを覆います。

こんなのが自分の使う土地にあったら、大抵の人は引き抜きます。手で簡単に引っこ抜けます。

1年草なので、結実前に抜いてしまえばそれまでです。

フジは居場所が限られます。

ヒコバエと、あまり遠くに行かない種が繁殖手段。

丈夫です。木にしては成長が早いです。でも、個体再生力がとんでもない、ということはありません。

このフジにヒノキを倒されたり、電柱に登られたりするのは、よくよく管理の悪い土地です。

うちの山はアレチウリの草の精とフジの木の精から重点的侵攻エリアの認定を受けているので、3種混合ではびこっています。

 

ということですから、「街をきれいにしましょう」事業の背後の斜面、もちろんクズだと思いました。

ありふれすぎてるクズだけど、やはり目がいきます。なぜって、

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こういうのがいっぱい、うちの庭に埋まっているんですよ。

掘り出すのはもう、諦めました。だって、油圧ショベルで切土した後ですよ。一応、チャレンジはしましたけどね。

クズは再生力が強い草で、根が生きている限り新しい芽を出します。でも、それを端から摘んでしまえば、蓄えた養分を使い果たしておとなしくなるそうです。

この根が生きてるかどうか判らないけど、とりあえず飛び出してるところを切って、後は見ないことにします。

だって、忙しいんですよ。ほら、後ろの崖を蔓が登ってきてるでしょ?