竹について、いろいろ調べました
竹から生まれたかぐや姫は、3月ほどで「よきほどなる人」になります。
春に出たタケノコが一夏で20mの竹に育つ、に因んだのでしょうね。
地下茎
竹を1本地面に植えて、大事に養生して、一人前に育てたら、やがて地下茎を伸ばし、地下茎の先にタケノコを作ります。これは元の竹のクローン。で、翌年また地下茎を伸ばし、またタケノコを作ります。
こうして1年生の竹・2年生の竹・・・元の竹が繋がってシンジケートをつくります。
小さな竹が育つための栄養は、シンジケートが供給します。地下のパイプを通して、じゃんじゃん。
枯れる竹
1本の竹の寿命は20年ほど。竹藪では毎年、年老いた竹が枯れていきます。
地下茎にも寿命があって、古い部分から朽ちていきます。
シンジケートはボスを失っても、分家したクローンが担っていきます。
そして、ごくたまに開花します。
開花周期は品種によって、70年とか120年とか。
竹藪の全体が一斉に開花して一斉に枯死する、そうです。
増える竹
竹藪では毎年新しい竹が生まれるけど、毎年老いた竹が枯れていきます。
なので、幾何級数的に増えるということにはなりません。
なので、制御は可能です。
私はそれをするつもり。
成長点
植物の成長点はふつう、先端にあります。
植物の体は細胞でできているので、「伸びる」というのは細胞の数が増えることなので、これはレンガで建物を造るイメージ。
レンガを積み上げていくように、既存の構造を壊さず、上に新しい構造を載せていくのが「先端成長」。
これを多くの植物が採用しています。
でも、ときに変わり者がいて。
横道ですが、掃除刈り
という言葉があります。牧畜に携わる方たちの、たぶん業界用語です。
草刈り歴3年目の私の目に留まった、福音のような言葉です。
広い牧場にたくさん生える草の中の、生えてほしい草を育て、生えてほしくない草を除く方法ですって。
なに、それ、すばらしい。
が、どういうのかというと、
広い牧場の草を、地上10センチくらいの高さで刈る。
だけ。
って、私が普通にやってることですが?
畑や空き地の草刈りは、地面の際で刈るのが正しいです。プロの業者は刈払機を地面のすれすれで操作します。素人でも、きちんとした性格の人はそうします。
でもこれ、難しいんですよ。地面がでこぼこだったり、木の根や石があったり。慎重にやらないとブレードから火花が飛びます。
なので、いいかげんな性格の私は、刈りやすい高さで刈ります。刈払機をぶんぶん振り回すのは楽しいです。
で、この正統じゃない草刈りで、生えてほしくない草だけ除くことができるんですか?なぜ?
牧畜業者にとっての生えてほしい草は牧草です。
牧草というのは馬や牛や羊が好んで食べる草で、長い歴史を、生える先から食べられてきた草です。
こういう草は「地上部の先端を失ったらお終い」では生き残れないので、いろんな方法を編み出してきました。その一つが、「先端成長をやめる」というやり方。
イネ科の植物は株元に成長点を移しました。レンガを上に積み上げるんじゃなく、下から押し込んで押し上げるって、ウルトラCなやり方。
ウルトラCなので、構造は丈夫じゃないといけません。イネ科植物はプラントオパールをつくります。
プラントオパール(ああ、また話が横道に、、、)
というのは、植物がつくるガラスのこと。
イネ科の植物は土の中のケイ酸を取り込んで、細胞の中でガラスをつくります。これで茎や葉の構造を強化して、ウルトラCで押し上げます。
ササやススキを触って手を切ったこと、ありません?葉の縁がギザギザしていて、あれ、ガラスです。
で、話を竹に戻すと、
竹はイネ科の植物です。その構造にガラスを持っていて、だから強靭。
そして、成長点は奇妙なところにありました。いえ、竹の場合は点じゃなくて帯。
伸びる竹
竹には節があります。タケノコにも節があります。
タケノコの、節と節の間が伸びて竹になります。
この、全部の節の間に成長帯があって、全部の成長帯で一斉に成長します。
なるほど。
竹はタケノコの姿のままで伸びます。
枝葉のないタケノコの姿のままで、一人前の高さまで伸びます。
枝葉がなくても、光合成をしなくても、栄養はシンジケートからもらえるからね。
と、この数日、こういうことを調べていました。
竹藪を竹林に戻すために、です。
明日から取り掛かります。