家の紹介をします(その2)

壁の話をします。

 

打ち合わせの時、こんな会話がありました。

依頼人「和室があるんですか?」

工務店「大壁和室ですが」

依頼人「和室があるんですね?」

工務店「大壁和室ですけど」

ここで、依頼人から「大壁和室って何?」という質問は出ません。

大壁だって小壁だって、和室は和室でしょ?

 

紹介します。私の家の和室です。

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ところで、大壁和室って何ですか?

 

大壁造と真壁造

和室の造りには大壁造真壁造があります。

 

大壁は柱の外側に造る壁

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柱を挟んでパネルを張ります。

パネルとパネルの間には断熱材や筋交が入ります。

 

施工中の大壁。

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こんなふうに仕上がりました。

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手前は和室です。間にあるのは5寸の柱で、途中で色が変わっているのは職人さんの仕事です。

ということに、ついさっき気が付きました。この写真を見て、あれ、どうなってるの?

こんな小さな家に5寸柱は謎なので、今度工務店さんに聞いてみます。

ちなみに、私の家で露出している、これが唯一の柱です。

 

真壁は柱と柱の間に造る壁

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日本の伝統的な家屋では、柱と柱の間に壁を造ります。

古くは、竹や葦を格子に編んだ「木舞」に土や漆喰を塗って造りました。

この方法だと、普通に柱が露出します。

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壁の中身まで露出しているのは、すぐそこにある廃屋です。

こんなに壁が崩れても、まだ倒れず建っているのは軸組構法だからです。

で、その軸組の梁が曲がっていますが、これは元からです。

昔の家には曲がった木がよく使われました。

 

そこに杉林があります。

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私の家を建てるのに、その杉を使えなかった理由は、

工務店「規格の材じゃないので、製材しづらい。施工後に狂いがでる」

簡単に言うと、真っ直ぐに育った木じゃないと構造材に使えない

じゃあ、

「そこにある廃屋はどうなんですか?」

問い質したら、

「土壁ですから」

という答え。

そう、塗り壁なら、曲がった構造材に合わせて壁を造れます。

構造材が縮んだら(材木は経年で収縮します)、壁を塗り重ねればいいんです。

現代建築には向きません。

建築基準法の制約の中でこういうものを造るには、とてもコストがかかります。

今は、普通に石膏ボードが多いです。

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夏まで住んでいた家も真壁造でした。

壁は左官仕立ての砂壁。でも、下地はたぶん石膏ボードです。

 

 

というのが、大壁と真壁の違い

最近は大壁造が主流です。施工が簡単でコストも安い。

それでも、伝統的な和室がほしいときは、付け柱や見せ梁でそれっぽくします。

これなら軸組のない2×4でもできるし、ビルの中の居酒屋でもできます。

 

と、ここまで書いたところで、電気ノコギリが届きました。

壁の話の続き(があるんです、どうやら)はまた。