私の畑にはキジがいます
春になったので、畑に種を蒔きました。
今年はスイートバジル。
育つかな?
五月晴れ。爽やかな日に作業を終えて、道具を片付けていた時、
ヒュン
眼の前をかすめて、ツバメが飛んで行きました。
ツバメってこういう飛び方をするんです。
自分の速さを誇るみたいに。端麗さを見せつけるみたいに。
はい、美しい鳥です。
そして、その後に、長く尾を引く大きな声。
「ツバメってこんな声で鳴くの?」
とか思ったけど、そんなはずはなくて。
バタバタ
草陰からキジが飛び出しました。すごい速さで走って、隣の空地に飛び込みました。
緑色の、オスのキジ。そしてまた、長く尾を引く大きな声。
それを見た私は、
「いいなー」
隣の空地を羨ましいと思いました。
でも、よく考えたら、キジは私の畑から飛び出したのです。
あれ、私の畑のキジですよ。
それからはよく、キジの声を聞きます。
実は以前から聞こえていました。でも、何の音か分からないので、聞いていませんでした。
私の脳が「あれはキジの声だ」と認識したので、聞こえるようになりました。
とは聞こえません。キジはケーンと鳴くことになっているけど、そんなふうには聞こえません。
カッコウはカッコウ、ウグイスはホーホケキョ、トンビはピーヒョロロで合ってるけど、キジのケーンは違うと思うな。なんか、文字にするのが難しい声。
それだから、今まで聞いてなかったんです。
今は聞こえるようになったので、よく聞きます。
キジ、姿はたまにしか見せてくれません。
姿を見てから鎌を投げ捨てて、急いでスマホを取り出しても、こんな写真しか撮れません。
キジってば、走るの速い!
実は以前からキジはいて、毎年この畑で子育てをしていたそうです。
と、ご近所の人に聞きました。
その人は巣をみつけて、卵を持ち帰って、チャボに抱かせて孵そうとしたそうです。
孵らなかったそうです。
キジ、姿は見せてくれなくていいから、私も見たいの我慢するから、見つからないように、上手に卵を孵してね。