庭で見つけた謎の球体について考えたあれこれ
こんなものを見つけました。
草刈りをしているときにです。
直径は10㎝ほど。地面からの距離は30㎝くらい。
エノコログサの茎にありました。
生えている葉を裂いて丸く形成してあります。葉のほとんどは茎についたままです。
正体が判らないので、今これを仮に物体Xと呼びます。
草刈りをしていると、いろんなものを見つけます。
その度手を止めて、あれこれ考たりしだすので、作業はかどりません。
ルリボシカミキリ
倒木を覆うクズの葉に載っていました。
すぐ側にもう1匹。
この2匹は少し色が違います。
は、見る角度で色が変わります。
ルリボシカミキリの青は生きている間だけの色なので、装飾品にはなりません。
そうです。
なんてことを調べ始めると、忘れるんですよ、それまでしてたこと。
刈払機その辺に投げっぱで、雨にあてちゃったり。
で、物体X
の正体は?
鳥の巣のように見えますが?
鳥の巣についての考察
鳥の中には草の茎に巣をかけるものがいます。
以前、庭にいる鳥の種類が判らないと書きました。
が、今回本気で調べました。
刈払機は濡れても使えます。いえ、濡らさない方がいいです。
ウグイス Horornis diphone
は確かにいます。家の周りの、あっちにもこっちにもいます。
春の鳥かと思っていたけど、留鳥でした。ついこの間、8月の初めまで、ホーホケキョ言ってました。
そして、巣はウメの木じゃなく、草藪につくります。
セッカ Cisticola juncidis
以前調べたとき判らなかった、これがたぶん「庭でよく見る鳥」です。
スズメより一回り小さく、地味な色。
草むらの虫をたくさん食べます。
イネ科の草の茎に巣をかけます。
コヨシキリ Acrocephalus bistrigiceps
は渡り鳥なので、この庭にはいないかもしれません。
いても、ウグイスと見分けがつきません。
ウグイスよりちょっと小さいし、ホーホケキョとは鳴きません。
だからと言って、私に見分けがつくはずありません。
イネ科の草の茎に巣をかけます。
以上が、「日本の寒冷地に分布」「イネ科の草に巣をかける」「営巣は夏」「小さな鳥」というプロファイルに基づく候補者です。
が、どうやら外れ。
この候補者の構築物、私の求めるものと違います。形・大きさ・材質が不一致。
特に材質。
物体Xは「生えている葉をそのまま形成」してあって、これが特徴。
ところで、鳥たちは充分な機動力を駆使して、あちこちから巣材を集めます。
木の枝、枯葉、草の根、羽毛、獣毛、クモの糸、、、.
セッカなんて、クモの卵嚢から糸をとって接着剤に使うんですよ。あざとい。
「そこにあるものを形成した」だけの物体Xとは、コンセプトが違います。
ということで、ちょっと行き詰まったりしましたが、
Googleの画像検索でこんなのを見つけました。
形、大きさ、材質と周辺環境が一致。
これですね。
物体Xの正体はこれ。カヤネズミの巣。
カヤネズミ
ちょっと待て!
こんなかわいいのがいるのか?うちの庭に?
運が良ければいます。
私が見つけたとき、カヤネズミの巣は空でした。
できたてのほやほやという感じでしたが、その後、その巣に居住者が戻ることはなく、実はそれが気がかりでした。
(不用意に近づいて、巣を放棄させてしまった?)
これを、私、3日間考えていたんです。
ところで、
たった今判ったことですが、
カヤネズミは同時にいくつか巣をつくり、数日後、そのうちの1つで出産するそうです。
何のために?
刈払機を振り回す獰猛な人間から逃れ、安全に出産するため?
だったらいいな。
カヤネズミは良好な草地環境の指標生物で、巣が見つかったらそこは良好な草地。だそうです。
なんてことも判りました。
そうですか。
そしたら私、がんばってよかった。