人に勇気を

先月のことですが。

東京の友人が遊びに来ました。

ずっと前から「来る」と言っていて、来たのが2月。

寒冷地の、いちばん寒い時期。見るものも、何もない時期です。

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3日滞在していきました。

見るものも何もないけど、あちこち案内しました。

一応、案内したのですが、私の運転です。

友「この道、さっき通ったよね?」

私「えっ?(そうだっけ?)」

友「えっ?(気づかないのか?)」

なんてことが起こります。

 

交差点では、

私「ここ、曲がりたくない」

友「いや、左折専用レーンだ」

私「曲がりたいのは60メートル先だ」

友「だが、今曲がるしかない」

なんてことが起こります。

 

レストランの駐車場を出るときは、

ナビ「北に進みます」

私「北ってどっち?」

友「駅の方」

私「駅どっち?」

友「あそこに見えてる」

なんてことが。

 

運転はね、だいぶまともになったんです。

3年間毎日乗ってて、違反点数ゼロ。

人を乗せて走れるくらいにはなりました。

東京の大学生(自動車部員)の特訓も受けたし。

でも、私は私ですから。

 

友「どうしたらここでまちがえられるの?」

私「どんなもんだ」

 

3日目、とうとう友人が言いました。

「もしかして、私が運転した方がいい?」

彼女はゴールド免許の保持者です。

30年間1ミリも運転したことがないそうです。

私「なぜしない?」

友「怖いから」

 

まあ、分からなくはないです。

犬を飼うでも、仕事に就くでも、責任を負う行為は怖いです。

自動車運転は特に、「人身に対する危険を不可避的に含むものでありながら、社会的効用の故に、その危険を法的に許容する」ものですから、怖がるのが正しい。

のですが、

友「東京に帰ったら、ちょっと運転してみようかな」

なんと、30年の禁を破る発言。

友「今度来るまでに、乗れるようにしておこうかな」

また来るそうです。

ここが気に入ったようです。

友「ちょくちょく来るよ」

ずいぶん気に入ったようです。 

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まあ、3日私と一緒にいて、

(こいつにできるなら自分だって)

と思ったのに違いはありません。

私ってば、人に勇気を与える資質あり。