そしてやっと買いました。チェーンソー。
ずっと欲しいと思っていました。
オートロックのマンションに住み、満員の通勤電車に乗り、インテリジェントビルに通っていた4年前から。
「山で暮らすなら、チェーンソー欲しいよね」
思っていました。
でも、私に使えるかどうかが判らなくて。
とても危険な道具と聞きます。
試しにあなたも「チェーンソー欲しい」言ってみてください。もしお持ちじゃないなら、ね。
きっと周りの人たちに「危ない、やめろ」言われるでしょう。
私はそのうえ「危ない奴、やめてくれ」言われましたよ。
この山には何度か伐採が入っているので、チェーンソーの作業、見る機会はありました。
プロの手並みはすばらしく、私はうっとり眺めたものでした。
でも、自分に同じことができると思ってはいけません。
プロの道具も、ちょっと触らせてもらうのはいいけど、エンジンの止まっている時だけね。
親切な作業員さんが触らせてくれたのは、自動車で言えばV8くらいの奴です。そんなの私に使える筈ないので、
どこかにありますか?私に使えるチェーンソー?
さて、私は電気ノコギリを持っています。
竹を切るために買いました。電気ノコギリで竹が切れます。
でも、枯れ竹は切れません。切ろうと思えば切れるけど、
1本切って、倒して、2メートルくらいに玉切りしたら、右手にきました。
私、右手に腱鞘炎を持っています。えと、上腕骨外側上顆炎は左腕ね。
これは竹の変遷の写真です。
6月の朝、出勤前にその辺を見回って、②伸びたタケノコを見つけ次第手あたり次第切り倒すには、電気ノコギリは良い道具です。
①タケノコを採るにも、採ったタケノコを料理するにも、大変有用。
ですが、④一人前の竹を切るのはしんどいし、⑤枯れ竹はかなり無理なので、
やっぱりチェーンソー欲しいです。
どんなのがありますか?私に合うチェーンソー?
なんて考えて過ごす日々。
そんなある日のことでした。
夕暮れに、テラスでお茶を飲んでいたところに、ダンディなご老人の訪問を受けました。
ありきたりの灰色の作業着を、すっと背筋を伸ばして、たいそう格好よく着こなした方。
のご用件は、
「畑の桑の枝を切らせてください」
「はい」お答えしたのですが、
あれ?
その桑、去年「切ってください」言われた桑です。
私の畑の隅っこに、なぜだか桑の木があって、それが隣地に枝を張り出して、ご迷惑をおかけしています。
手前、雑草にまみれてるのが私の畑で、奥の美しく整備されているのがご老人の畑。
間にあるのが桑の木ね。
この桑の枝を、去年「切ってください」と言われ、
「はい」と答え、
でも、私の技量じゃ切れなくて、
誰かに頼もうと思っているうちに、ごめんなさい、忘れてしまいました。
ことを思い出しました。ごめんなさい。
ご老人が切ってくださるのですか?ありがとうございます。
でも、どうやって?
翌日、私はご老人が木を切るところを見に行きました。
うちの桑ではなく、ご自身の山の木。を切るのを見せてもらいました。
ご老人は小型のチェーンソーをお使いでした。自動車で言えば3気筒くらいの奴。
まだ新しく、「この間買ったばかり」ですって。
「近所のホームセンターで、一番小さいのを買いました」ですって。
それを、ちょっと、私も触らせてもらいました。
「燃料を吸い上げて、スイッチを入れ、チョークを引いて、スターターを引く」
で、始動。
「スロットルを握る」
で、チェーンが回転します。
それを、径7センチくらいの枝に当てたら、
一瞬です。
使える
思いました。
即刻、近所のホームセンターに走りました。
ご老人のお持ちのと同じ機種がありました。
それが、その日から売り出しになっていて、お安くもなっていたのです。
これ、買いなさいってことだよね?