キジ(雌)の生きる姿勢にびっくりしたこと

キジ(雌)は足元から飛び立ちます。

突然。

キジ(雌)は藪の中にいて、人が近づいてもすぐには逃げず、

ぎりぎり、あと一歩、

というところで、突然飛び立ちます。

 

びっくりします。

 

私、何度もびっくりさせられました。

なぜ何度もそんな目に遭うかというと、藪の中のキジ(雌)は見えないからです。

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藪の中のキジ(雌)、下生えと見分けがつきません。

下生えが突然飛んだら、ねえ、びっくりするでしょ?

 

高くは飛びません。長くも飛びません。

藪の中をちょっと飛んで、姿をくらまします。

するともう、どこにいるのか見えません。

 

キジ(雌)とキジ(雄)は生きる姿勢が違います。

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https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/9/93/Phasianus_versicolor_Couple.JPG/1024px-Phasianus_versicolor_Couple.JPG

キジ(雄)は目立つ生き物です。

鮮やかな体色、長い尾、よく響く大きな声、

で雌を呼び、繁殖の機会を得ることが、キジ(雄)の重要課題。

大切なのは機会を得ることで、その後のあれこれは知ったこっちゃないようです。

身重の雌を守るとか、卵を温めるとか、巣に餌を運ぶとか、はしません。

ひとつの出会いを過ごしたら、次なる出会いを求めるのがキジ(雄)。

里山では、春から夏にかけ、長いことキジ(雄)の声が響きます。

 

で、キジ(雌)。

一番上の写真は5月に撮りました。

そのとき、私は林の縁の草を刈っていました。

家の側に林があります。その林の、中ではなく縁の草を、刈払機でぶーん。

刈っていたら、突然、

ばさ、ばさ、ばさ、

キジ(雌)が飛んだのです。林の中、刈払い機のブレードの先、30センチくらいのところから。

えっ?

短く飛んで、林の奥に消えました。

なんで?

私は慌てて機械のスイッチを切りました。

キジ(雌)、なんでこんなところにいたの?

刈払機が近づいて来るのは分かっていた筈です。

20分も前から振り回していたのです。

それなのに、

なんで、さっさと逃げないの?

キジ(雌)、怖い生き物だと思いました。

 

でも、それだけじゃなかったんです。

もっとびっくりすることがありました。

写真があるでしょ?

なんとキジ(雌)、戻ってきたのです。

いったん林の奥に逃げながら、のこのこ戻ってきました。

その時写真を撮りました。

大丈夫か?このキジ(雌)?

呆れながら、ね。

 

この林、

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すぐ側に家がありますが、住人が林に踏み込むことは滅多になくて、

他人の家のこんな近くをうろつく人も、まあいません。

犬は周りを走りますが、林には入りません。

うっかり入ったら出てこれない、ことを学習したからです。

なのでこの場所、キジ(雌)には居心地がいいと思う。

でも、ついさっき、刈払機でぶーんとやっちゃいましたからね。

そしたら、すごく怖くないですか?

そこに戻ってくるとか、命懸け過ぎません?

  

ということがありました。5月の話です。

5月の話を、なぜ今書いているかと言うと、

 

先日、ここからキジが飛び立ちました。

3羽、4羽、5羽、

短く飛んで、林の奥に消えました。

性別は判りません。

下生えと同じ色をしていましたが、幼鳥はみんなそうなのです。

写真はありません。

突然なので撮れませんでした。