秋の一日、木が腐ることについて考えました
もらった板を切って並べたら、いい感じの道になりました。
なんて、簡単なことにはならないの。
2週間かそこらで、板がぼろぼろになりました。
木材を傷めるのは、
・太陽光や風雨の作用(気象劣化)と、
・菌類による腐朽やシロアリなどの虫害(生物劣化)です。
ということは、私、知っているので、
UVカット・撥水・防腐・防虫塗料を何種か揃えてあります。
でも、今回は塗装しませんでした。
この板がゆっくり土に還っていくのを、のんびり眺めるつもりでいました。
ぜんぜんゆっくりじゃなかったね!
ということで、やり直し。
並べた板を剥がして、洗って、乾かして、塗装。
なんて、今さら。
ウイルスに感染してからワクチン接種するようなもんだけど。
何かの効果はあるでしょ?
ぬりぬり。
木が腐るということ
私の家の周りには、腐りかけた木があります。
たくさんあります。
あたりまえに転がっています。
木が腐るのは悪いものではありません。
嫌な臭いはしないし、嫌な汁も出ない。
むしろ、こういう物の方が困ります。
腐らない物。
私の家の周りには、はい、こういう物もありました。
家を建てるとき、私が費用を払って撤去しました。
どこのどなたが置いた物なのか、、、
お会いする機会があったら罵倒させていただきたいと思っています。
ところで皆さん、イデオネラ・サカイエンシスをご存知?
こちらBBC NEWS JAPANの記事。
ペットボトルの原料ポリエチレンテレフタラート(PET)は、自然環境下では分解されるのに何百年もかかる。しかし、日本の科学者が発見したPETaseと呼ばれる酵素は、PETをわずか数日で分解し始める。
(中略)
PETaseは、日本の科学者チームが発見したPETを「食べる」細菌から生成される。イデオネラ・サカイエンシスと名づけられたこの細菌はプラスチックを主なエネルギー源としている。2016年発表の報告書によると、この細菌は大阪府堺市にあるリサイクル施設のごみの山から発見された。
「PETが圧倒的な量となったのはここ50年ほどのことです。バクテリアが人工物を食べるよう進化するには、そう長くない期間です」と、現在この研究に関わる英ポーツマス大学のジョン・マギーハン教授は話す。
プラスチックは腐らないの常識を覆す発見です。
地球は今、プラスチックごみという大きな問題を抱えています。
人類が傷めつけた地球を救うのは、この細菌かもしれません。
で、なぜここでこの話をするかというと、
木も嘗ては腐らない物だったからです。
木材腐朽菌
木を腐らせるのは木材腐朽菌です。
太陽光や風雨は木を劣化させるけど、分解はしません。
木を分解する=腐らせるのは木材腐朽菌です。
この菌が登場する前は、木が腐らない時代があったのです。
想像できますか?木が腐らない時代?
には、こういう物もうんと長持ちした?
って、木材腐朽菌の登場は3億年前でした。古生代後半、石炭紀の末期。
には、人類存在してないですね。
でも、もし、人類登場後も木が腐らない世界が続いていたら?
この祭殿(のオリジナル)が、今目の前に建っているかも?
なんて、考えるのは楽しいけど、
有機物が分解されないということは、分解によって放出される二酸化炭素が生じないということで、大気の組成が現在に至る地球のそれとは違ってしまうから、そしたら、
人類出現しませんね。
なんてことを考えながら、
ぬりぬり。
秋の一日を外で過ごすのはよいものです。
塗料が乾くのを待つ間、その辺を歩いたりします。
木が朽ちていく未来、
木が腐らなかった太古、
に思いをはせながら。