車が届きました(2回目)
名前はナットです。
実は1週間前に届きました。
この写真、水仙が咲いています。1週間前の写真です。
車が届いても電車通勤です。通勤の苦労、続けてます。
先日は電車を乗り過ごしました。
仕事帰りに測量事務所に寄って、電車に乗るのが遅くなったんです。で、降車駅について降りようとしたら、降りられないんです。
この路線の電車、扉は自動ではありません。降りる人は「開」のボタンを押すんです。押しました。開きません。
そう言えば車内にお知らせが掲示してありました。
「駅員のいない駅・時間帯では、後ろの車両の扉は開きません」
でも、いつもは開くんです。駅員、いつもいないけど。
以来、電車の一番前に乗って通勤しています。
景色を見ながら通勤しています。
こんな景色です。
で、車、ですが。
ネットで中古車を探しました。
軽乗用車、オートマ、車検あり、市内の業者、が検索条件。予算は20万。
ありました。2005年式、軽トールワゴン。走行距離15万km。業者は市内。
ですが、さて、どこでしょう?公共交通機関で行ける場所ではなさそうです。
電話しました。
「どうやって行ったらいいですか?」
引っ越してきたばかりで地理が判りません。引っ越してきたばかりで車を壊しました。
ネットの口コミでは、とても親切な業者さんとのことでしたが、
「よかったら迎えに行きますよ」
とても親切な業者さんでした。
「買うって決めてませんが?」
「見ないと決められませんね。とりあえず見てください」
迎えに来てもらいました。
見たところで私に判るのは、そこに車があるってことと、見た目がどうかってことくらいです。そこは畑の真ん中で、梅がきれいに咲いていました。見た目はかなりぼろいです。ああ、エンジンがかかりませんね。バッテリー充電したらかかりました。
買いました。タイヤとバッテリーを新品に替えて18.3万円。車検2年ついてます。
の車が届きました。親切な業者さんが届けてくれました。
私が壊してしまった1台目と同じ車種。年式は1年違い。
なので、名前をつけました。1台目がコット、2台目がナットです。
分筆登記③
法律の施行細則とか、自治体によって違います。
専用通路の長さに制限を設けている自治体、好きなだけ長く引っ張っていい自治体、
分筆登記が必要な自治体、不要な自治体、
いろいろです。だから、
「地元でちゃんとした仕事をしている、良心的な業者を探しなさい」
なんです。
でも、「ちゃんとした」「良心的な」の判断、どうやってするんですか?
ネットで検索しても、土地家屋調査士のレビューはありません。
と、いう課題を抱えたわけですが。
勤め始めたばかりの職場で、上司に声を掛けられました。
「家を建てるそうですね」
はい。応募書類に書きました。
「4月から市内に越してまいります。△△町に仮住いを用意しましたが、○○町に家を建てる予定です」
応募したときの住所は東京でしたから。引っ越してきて、またすぐ引っ越すとか、心配かけるでしょうから。
で、上司の方、
「力になれることがあったら言ってください。応援します」
この土地の人たち、びっくりするくらい親切です。もうね、私は何度もびっくりしています。
それだから、すぐに迷子になったり、車壊したり、頭が痛かったり、寒かったりするのに、引っ越してきてよかったって思うんです。
「力になれることがあったら言ってください」言っていただいたので、言いました。
「測量を頼む業者を探しています。地元の情報を知りたいです」
教えていただきました。なんと、上司の方、測量士の資格をお持ちの方でした。「ちゃんとした」「良心的な」の判断のできる方でした。
そして、うちのケース。に見合った、良心的な業者に巡り合うことができました。
4月6日、出勤2日めの話です。
分筆登記②
分筆登記の費用、調べました。
測量・立ち会い・境界確定、1箇所につき数千円~数十万円、だそうです。
って、ずいぶん幅がありますが。
分筆登記は通常、土地家屋調査士に依頼します。
土地家屋調査士の報酬は自由に設定できるので幅がでます。
調査の内容も、過去の測量データがある場合、ない場合、
更地の場合、立木や構造物が多い場合、
など、条件によって変わります。
隣接する土地の地権者が不明だったり、係争中の土地は厄介です。
つまり、ケースバイケースです。
では、うちのケースでは?
うちのケース。
ピンクが隣接の民地です。
境界ポイント。
赤が民地境界、黒が公共用地境界、青は自分の筆の境界です。
以前はここを測るだけでよかったのですが、
平成17年に法律が変わりました。
こう測らないといけなくなりました。
測る場所がいっきに増えました。費用もうんと高くなります。
ところで、池に黒いポイントが打ってあります。
実は、池の素性が不明でした。この池、登記がありません。
ここは以前は田だったところで、江戸時代に溜池にして、その後、たぶん明治時代に、行政組織が管理するようになりました。
が、今では国家機構も法規も変わっているので、管理者、誰なんでしょうね?
というのが疑問でしたが、立ち会いが必要なので調べてもらいました。
判りました。自治体の農地課が管理しています。
ということで、農地課に行きました。
「池の境界ってどうするんです?」
形も大きさも年々変わっていますけど。
「境界は公図に合わせて設定します」
だったら測量、しなくていいんじゃ?
とか言ってみます。費用ケチりたいんです。はい。
「測量は必要ですが、300万はかかりませんよ」
うちのケース。を見て、農地課の方がおっしゃいました。
「地元でちゃんとした仕事をしてる、良心的な業者を探してください」
ですよね。引っ越してきたばかりで、それが簡単じゃないんですけど。
と、これが引っ越し直後、4月3日の話です。
分筆登記①
この土地を、
こんなふうに分けます。
開発指導課から
「家を建ててもいいですよ」
許可が出たので、ハウスメーカーに打ち合わせに行きました。設計プランはすでに作ってあります。首都圏にあるハウスメーカー、半年前から相談しています。
「やっとお願いできることになりました」
晴れやかに報告する私に、
「それでは、通路を分筆登記してください」
営業さんが言いました。
「費用は300万くらいです」
ちょっと待って。
「300万ですか?」
ありません。
資金計画、半年前から立ててきました。ハウスメーカーと一緒に立ててきました。
地盤調査・建築・登記費用が1300万、伐採・整地と給・排水の敷設に300万、という予算です。
建築費用は「そんな安くて家が建つの?」と心配される金額で、
給・排水は「なんでそんなに高いの?」と驚かれる金額です。
が、とにかく、これがぎりぎりの予算。
分筆登記300万は予定にありません。
建築指導課に問い合わせます。
「接道のために専用通路をつくります。分筆登記、必要ですか?」
必要ないそうです。市街化区域なら。
「市街化調整区域は必要です」
なるほど。これは、例の、あれですね。
しかたがない。分筆登記、やってやろうじゃないですか。
300万、はありませんけどね。
と、これが3月25日、引っ越し直前の話です。
あっと、上のすてきな標識を作ってくれたのは千歳市です。
https://www.city.chitose.lg.jp/_resources/content/5890/03.pdf
お断りしておきますね、一応。
片道8kmの通勤の苦労について書きます
初出勤
家を出て暫らくは田舎道。緩いカーブと勾配の片側1車線道路です。
橋を渡ると市街化地域。車線が増えます。
高架道で軽い渋滞。500m先の右折に備えて右車線に移ったら、ちょっと進んだところで路面に ↱ が現われました。
これ、曲がらなくちゃいけませんよね。曲がりたくないです。
曲がります。
ナビがルートを再検索します。だいじょうぶ、この辺の景色には覚えがあります。なんとか道を取り戻します。
駅前の大通りを右折、の後すぐ左折、で4車線を一気に横断、という悪行を働きました。
そして職場に到着。所要時間30分。
車を降りたら、しっかり背筋を伸ばして歩きます。きんと冷えた空気と、抜けるような青空。
「本日からお世話になります。どうぞよろしくお願い致します」
職場の近くにショッピングセンターがあります。仕事帰りに、犬と私に必要な、すてきなあれこれを揃えました。店を出たら日が落ちていました。
迷子になりました。
進む方向は判っています。直進です。でも、走っているのは ↰ のライン。いつの間にかそうなっています。
曲がります。駅のロータリーに入ります。入りたくないけど入ります。
この辺で一番交通量の多い場所。一番交通量の多い時間。を、用もないのにウロウロするという悪行。
ナビがルートを再検索します。ナビが案内してくれる道、まるで覚えがありません。ここを左折、ですか、はい。その先を右折、ですか、はい。
いきなり、暗い、細い路地に入って、止まりました。
「ケガはない?救急車呼ぶ?」
声を掛けられて、
「110番をお願いします」
応えました。声を掛けられて、事故を起こしたことに気が付きました。
電信柱にぶつかったんです。見えなかったんです、電信柱。
ケガはなく、電信柱に損傷はなく、壊れたのは私の車だけでした。
近くの家の方が駆けつけてくれました。息子さんと、お母様と、お父様。
警察が来て、ロードサービスが来て、事故処理が終わるまで、ずっと付いていてくれました。
車は廃車になりました。
きれいな色の車、夫に陸送してもらった車、ごめんなさい。
それほどひどく壊れたわけじゃありません。修理は可能と聞きました。でも、エアバッグが作動したので、購入価格の3倍の修理代がかかるそうです。
ロードサービスの業者に廃車の手続きをお願いしました。私の車、ごめんなさい。
暖かい夕方でした。暖かくてよかったと思いました。
他人に被害を与えなくてよかった。明日も仕事に行けそうでよかった。引っ越してきてよかった。
そう、思ったんです。
親切な人たちがずっとついていてくれたからです。
翌日
始業1時間前に家を出て、電車に乗りました。
実はこの家、駅が近いんです。せせらぎの音を聞きながら歩いて数分。停まる電車は1時間に1本です。
鼻水を流しながら面接を受けたところ(不採用)なら自動車通勤一択でした。
採用いただいたアーバンな職場は、電車とバスを乗り継いで行けます。
所要時間は50分。朝は、です。
帰りに迷子になりました。
職場は至極便利なところにあって、複数の路線のバスが停まります。
停留所も2つ。玄関のすぐ前と、ちょっと遠い所と。
1時間に1本、の電車に間に合うバスは遠い方の停留所で、時間はぎりぎり。駆け足です。
停留所が見えた時、2台のバスが来てました。道端にあるポストの停留所ですが、たくさんの系統が停まります。なんと17系統。
前のバスは違います。しっかり確認して、正しい系統のバスに乗りました。時間はぴったり。
正しい系統のバスは、走るほどに目的地から遠ざかって行きました。逆方向のバスでした。
見たこともない、聞いたこともない場所でバスを降り、正しい方向のバスに乗って帰りました。所要時間は2時間。
次の日からは系統も方向も間違えません。所要時間は1時間だったり、2時間だったり。
乗りたい電車に乗れるかどうかは道路状況次第です。これまでのところ、乗れたのは1回です。
こういうことは慣れなので、少しずつ歩留まりを上げていくつもりです。
家に帰ると犬が待っています。
この家の玄関は鍵開けにコツがいるので、開けるまでに何度も、内側から犬が体当たりします。
「痛いからやめなさい」
犬には文句を言う私です。
一人暮らしをしたことがありますか?
学生時代、親から生活費貰って好き勝手一人暮らししてました。
の、一人暮らしとは、いろいろ違いますね。やっぱり。
面倒事がいっぱいあります。
面倒なのは主に、私の粗忽のせいです。
車を運転すれば迷子になるし、バスに乗れば迷子になるし。
片道8kmの通勤に、どうしたらこんな苦労ができるのでしょう。
不思議です。
全部自分のせいなので、誰にも文句を言わなくてすむのがいいです。
どうやら、私は文句を言うことに倦んでいたようです。
実家では文句をたくさん言っていました。
だって、夜飲み残したお茶が凍るんですよ、茶碗の中で。
実家の人は飲み残したお茶を放って寝たりしないので、この現象に遭遇するのは私だけです。
それから、水槽の中で緋鮒が凍るんですよ、廊下で。
カチカチに凍っているので、陽が昇ったら庭に埋めるつもりで置いておいたら、陽が昇ったらピタピタ跳ねて生き返りました。
こんな家ですから、たくさん文句を言ってきました。
この家も寒いです。
東京でもたくさん文句を言ってきました。
エアコンの設定温度が高すぎる、低すぎる、テレビの音がうるさい。ゴミがたまる。
この家にはエアコンがありません。テレビがありません。ゴミがいっぱいたまっています。
ゴミの捨て方が判らないです。プラスチックは週1回、資源は2週に1回、燃えないゴミは月1回、ですって。難しいでしょ?
ここの自治体は良い焼却炉を持っているようです。ということは判りました。よかった。
誰かに文句を言わずに過ごす一日は、つやつやとしたきれいな一日です。たまっていくのが嬉しいです。
そう、私は、文句を言うことに倦んでいたんです。
今日もつやつやとした良い日でした。
ああ、犬には文句を言いました。
この犬、一足ごとについて歩くんです。そしてこうなります。
「下りられないなら、上るな」