シリーズ「汚水処理」その④
フォトギャラリー「排水溝」
最近、道を歩きながら排水溝ばかり眺めています。
「犬を連れていると不審に思われないの法則」があるので大丈夫です。
前回、浄化槽の処理水を集落排水の汚水管に流しなさい、と言われて拳を握りしめたところまで書きました。
シリーズ「汚水処理」その④、最終回です。
合併処理浄化槽は生活排水を浄化して公共水域に放流するための設備です。
この公共水域が、この付近では集落排水の本管であるわけです。
なので、
せっかくきれいにした水を、わざわざ、100万円以上の工事費を払って、汚水管に流しなさいと。
相談者「それでは、頑張って仕事をした私の浄化槽がかわいそうじゃないですか」
世間ではあまり知られていませんが、私は微生物の愛好家です。
引っ越し荷物にちゃんと、こういうものを入れて持ってきています。
なので、浄化槽を設置するのを楽しみにしているんです。
老後は顕微鏡と望遠鏡を覗いて暮したい所存です。
なので、
相談者「頑張って水をきれいにしてくれた私の微生物がかわいそうじゃないですか」
窓口の担当者を困らせるような文句を言います。
ここはしっかり困っていただく所存です。
そのとき、
「おや、いらしてたんですか?」
扉が開いて、背の高い男性が現われました。2か月前に相談にのってくれた方、「できない」を「できる」にしてくれた方、Yさんです。
「いかがですか、その後?」
ごめんなさい、せっかく「できる」にしてもらった集合処理、高すぎてできません。でも、浄化槽も高いんです。
相談者「ここに配管するようにとのお話ですが」
写真を示しながら、
相談者「なんか、それ、嫌です」
カウンターにはたくさん写真が並んでいます。マンホールの写真とか、崖の写真とか、通路の写真とか。
「うーん」
Yさん、しばらく写真を眺めていましたが、
「ここに側溝がありますね?」
ありますね。昔、団地が設置した側溝が、遺跡のように残っています。
「この先は池ですか?」
池です。団地の排水で汚れた池です。今はましになりましたけど。
今度はYさん、カタカタ、パソコンを操作して、
「では、ここに処理水を流しましょう」
そんなこと、
相談者「できるんですか?」
いえ、私より、隣に座っていた若い職員さんが驚いていましたよ。
Yさん、もう一度パソコンに戻ってカタカタ、そして、にっこり。
「できます」
このシリーズの①で書きました。
排水溝→池→河川は認可を受けた排水経路です。
遺跡のような排水溝。忘れられた古い水路。が、ゲーム攻略の鍵でした。
って、FF4ですか?この話。
こうして私の浄化槽が救われました。頑張った成果を汚水管に流さなくてすむことになりました。
だけじゃないんです。
公道のアスファルトを剥いだり掘ったり張り直したりしなくていいんです。この費用、怖くて聞いてなかったです。払わなくてすむのでもういいです。
だけじゃないんです。
Yさん「配管は、ここからここへ。この経路だと、地下に埋める必要はないですね」
って、もしかして、
相談者「U字溝とかでいいんですか?」
Yさん「ホースでもいいです」
ホース!
あります、こういうの。公園とかで投げやりに配管されてるの、たまに見ます。
団地の排水溝、一部分がうちの土地を通っています。設置したのは団地だけど、場所はうちの土地なので、
「ご自分の敷地の中の配管ですから、めんどうな決まりはありません」
ホースでも、塩ビパイプでも、素掘りの溝でも、
「お好きな方法でどうぞ。あなたの身になって考えてくれる、よい業者さんを探してください」
こうして、私の財布も救われました。
その後、とても良い業者さんに巡り会って、納得の排水システムができる見込みです。
家が建てば、ですけれど。