この7週間

岐阜県美術館公式SNSで連載の4コマ漫画です。

 

comic.pixiv.net

描いた人は現役の監視員さん。

美術が好きで、美術館が好きな、プロフェショナルな監視員さん。

というところが違うのだけど、

私も「端っこに座っている人」です。

 

美術館に勤めて7週間が経ちました。

 

7割の

監視員の仕事には制服があります。

これが何を意味するかというと、持ってる服の7割が「もう着ない」です。

パンツスーツも、ワンピースも、アンサンブルも「もう着ない」。

私ったら、通勤も制服なんですよ。

 

で、「もう着ない」7割をクロゼットから追い出せば、すっきり。

とはなりません。

追い出す、のがね。

「もう着ない」服は、「着る必要がない」だけで、「着れない」わけじゃないの。

で、ぐずぐず畳んだり、また開いたり。を続けてました。7週間。

でもクロゼットがぎゅうぎゅうで、何がどこにあるか分からないストレスな日々を続けるより、片づけた方がいいよね。

そのうち何とかします。

そのうち。

 

7年の

唐突ですが、Dropboxのデスクトップアプリが使えなくなりました。

Dropboxは私が依存しているオンラインストレージです。

このデスクトップアプリをパソコンに入れておくと、サーバーに送ったデータがパソコンの内部記憶と同期します。

7年前から使っています。

そもそもは、リモートで共同作業をするために導入しました。

自分のデスクトップアプリに保存した文書を、相手のデスクトップアプリに自動同期してくれるのが素晴らしく、

Windowsで作成したグラフィックてんこ盛り文書を、レイアウトの狂いなくMacで再現できるのが素晴らしく、

当時の仕事に無くてはならないツールでした。

もちろん、普通に、

自宅のパソコンで作った文書を職場のデスクで修正したり、

通勤途中にAndroid端末で見たり、

便利に使ってきました。

私の7年の記録はDropboxにあります。

土地登記簿謄本のスキャナデータも、建物表題登記のパワポデータも、履歴書のエクセルデータも、職務経歴書のワードデータも、Windowsのプロダクトキーのテキストデータも。

 

そのデスクトップアプリが使えなくなりました。

 

話は8か月前に遡ります。

8か月前、パソコンが壊れました。

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CRITICAL PROCESS DIED

という臨死体験から、OSを入れ直して蘇生しました。

蘇生したパソコンは記憶喪失で、アプリとドライバを入れ直す必要がありました。

Dropboxのデスクトップアプリも、もちろん。

 

余談だけど、このときAdobeのアプリに苦労しました。

Adobe ReaderAcrobat Readerに名称変更していて、じゃあ、私がお金を出して買ったAcrobatはどこにいるの?いえ、Acrobat DCじゃないの。

という苦労。

 

ところで、当時私は「電波が自由に使えない」逆境にいました。

aldertree.hatenablog.com

失業中なのに、パソコンが壊れたのに、電波が自由に使えない、三重苦。

電波が自由に使えない状態でのセットアップ、は縛りのきついゲームです。

なんとかクリアはしたけれど、なんかね、どっかへん。

いつか、時間ができたらやり直そうと思ってました。

 

そのやり直しをしたわけ。

時間ができたからね。

で、Microsoft Officeとか、Adobe Acrobat XI(というのが今の名前)とか、面倒なのはちゃんとできたのだけど、まさかの、Dropboxのデスクトップアプリがインストールできません。「エラー2」って何?

あれこれ試したけど、できないものはできない。

どうしましょう?

 

私が使ってきたのはDropboxの無償版です。これを有償版に切り替えればいいのだろうけど、

それとも、OneDriveとか他のサービスを試してみてもいいのだけれど、

あれこれ考えていたら、あることに気が付きました。

 

今の職場にはパソコンがありません。

通勤時間は8分です。

そして、リモートで共同作業する相手はいません。

つまり、もしかして、オンラインストレージいらなくね?

 

 

クロゼットを塞いでいる7割の服と、7年依存してきたオンラインストレージ、がいらない生活。

を始めました。なかなか新鮮。

昨日から蝉の声が聞こえています。

ウグイスがまだ鳴いています。

ハナビシソウが咲きました。

という7月です。

 

グラウンドカバー通信(6月号)

イネ科の①

5月に完成した緑化斜面、 

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の、現在。

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想定外です。

この草、常緑と思ってました。根拠は、えー、ありません。

でも、法面に植えたんだから常緑でしょ?冬の間も緑だったし。

それが、気温の上昇と共にぐんぐん育って。

花をつけて、種をつけて、

枯れました。

 

素性の判らない草です。

スズメノカタビラに似てるけど、うんと細くて。

ウシノケグサかと思ったけど、なんか違って。

スズメでもウシでもなく、スティパかな?と思う今日この頃。

 

スティパは常緑多年草です。ただし、株元が蒸れると枯れるって。

なるほど、すごく蒸れそう。

ちょっとぎゅうぎゅに詰めすぎました。こんなに育つと思わなかったからね。

 

風を通すために少し刈ってみます。

で、この後どうなるかは判りません。

 

 

イネ科の②

こっちのイネ科もちょっと刈りました。

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これは、えーと、牧草の収穫方法を参考に。

オーチャードグラスとか、穂がついたら刈るといいそうです。

穂の重みで草が倒れる前にちょっと刈って、伸びたところでまた刈る。と2回収穫できます。

私は牧草の収穫をしたいわけじゃないけど、ちょっと刈るのは好き。

 

植物には茎の先端で成長するものと、根元で成長するものがあります。

この辺に生えてる草のうち、

 やたら大きくなるの(アレチノギク・アカザ・ギシギシ・ヤマゴボウ

 そのうえ痛いの(アザミ・オニノゲシ

 そしてくっつくの(センダングサ

は、みんな先端成長派。

対するに、イネ科は根元成長派です。

なので、この辺を刈払機でがーっと、てきとうな高さで刈ります。

先端成長派には痛い攻撃だけど、イネ科は平気。

国立競技場の芝(イネ科)は年間75回ほど刈るそうです。それだけ刈っても平気。というか、刈った方がよく育つって。

 

 

秋蒔きの

クロタネソウが咲きました。種がつきました。おもしろい形の種。

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ヤグルマギクも次々と。 

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クロタネソウとヤグルマギク、去年の秋に蒔きました。

他にも何種類か蒔いたけど、みつかったのはこれだけ。

雨に流され、風に飛ばされ、ハコベに覆い被さられ、

幾多の試練を超えて咲きました。

会えて嬉しいよ。

 

春蒔きの

ゴールデンウイークにハナビシソウを蒔きました。

蒔いた直後に道路冠水・店舗浸水レベルの雨が降り、

いっしょに蒔いた115番地の発芽率は0%です。

ここは、でも、少し残りました。

本日蕾を発見。 

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万の種を蒔いても、発芽するのは数%。

でも、その中の数本が育てば、万の数の種ができます。

 

母の庭に咲いていたハナビシソウ、みごとな大株で、一抱えもありました。

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掘り上げた根は直根で、つまり、元の種は1粒です。

ピリオドくらいの小さな種。

 

この宇宙で、常に増大し続けるエントロピーを、唯一減少させるのが生命だ。

昔読んだ本にありました。

ことを思い出しました。

 

そんな、6月の庭です。

幸福のリンゴ

1株のリンゴを庭に植えておくと幸福になれるそうです。

 

2株植えました。

いえ、幸福を欲張ったわけではなく。

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右はつがる(サンつがる)、左はアルプス乙女

 

つがる(サンつがる)は普通サイズの普通のリンゴ。

リンゴなので自家受粉しません。

誰か側にいてくれないとだめだそうです。

 

アルプス乙女はまっかな、小さな、おもちゃみたいな実のなるリンゴ。

リンゴのくせに自家受粉で結実します。

でも、誰か側にいてくれた方がいいそうです。

その方がたわわに実るそうです。

たわわ。すてき。

 

なので、きみたち、仲良くね。

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アルプス乙女は私の好きなリンゴです。

しゃきっと固くて、酸っぱくて、くっきりした味。

スーパーにたまに並びます。

 

つがる(サンつがる)は私はあまり食べないのだけど、生産量の多いリンゴです。

きれいな色を出すために袋を掛けて育てるとつがる

味を濃くするために太陽に当てて育てるとサンつがる

になるそうです。

つがるの方がおいしそうに見えるけど、サンつがるの方がおいしいのだそう。

って、

これはちょっと深い話ですよ。

「おいしそうに見える」方がおいしそうだし、食べたくなるよね?

あなたが果樹園の人なら、どっちを作ります?

スーパーで買う人だったら、どっちを選ぶ?

 

とか、いろいろ考えました。

まあ、私のリンゴが実るのは何年も先なので、今から袋の心配はしなくていいの。

それより、育つかどうかが心配。

苗木の植え付けは落葉後の秋から春の芽出し前が良いなんてこと、知らずに苗買っちゃって。植えちゃって。

 

 

ところで、この辺、どこを掘ってもクズの根に遭います。

嘗てここに繁栄したクズ帝国。

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の残滓が地下に潜伏していて。

 

クズはめちゃめちゃ強い草で、地上部を切っても、焼き払っても、根がある限り再生することになっています。

でも、なぜだか去年はあまり生えなくて。ここの根には発芽能力がなさそうなので。

クズの根掻き分けてリンゴを植えました。

 

育つといいな。

 

良い手並みを持つことについて考えます(その2)

私にもあるかな?良い手並み。

何か考えつかないと悲しいので、一所懸命考えました。

履歴書の資格欄、記載事項1行(普通自動車運転免許AT限定)の私だけど、

何か、あるかな?

 

ある日、美術館、スタッフ控室で

ベテランスタッフ「お住まいは?」

新入り「〇〇町です」

ベテラン「えっ?」

驚かれてしまいました。

ベテラン「〇〇町って、人住んでるの?」 

〇〇町、ベテランさんのご存知のところです。美術館のあるところです。

ベテラン「この辺、家あるの?」

あります。50軒ばかり。皆さん古くからお住まいの方たちです。

 

私の家のある場所、〇〇町

昭和44年、都市計画法施行以前はふつうに家を建てられる場所でした。

今はふつうには建てられません。

私がここに家を建てるには、農地を取得して、耕作して、耕作証明を手に入れる必要がありました。

耕作証明を得るには、農地の近くに住まいを定め、畑を耕し、収穫を上げる必要がありました。

まあ、ふつうやりません。

私にそれができたのは、空家を貸してくれる人がいたり、畑を耕してくれる人がいたからです。

 

ということで、

私は人に何かしてもらうのが上手です

というのが、一所懸命考えた末の「答え」なのだけど。

 

あれ?なんか変?

これ、手並みって言わないかな?

まあ、でも、

予算の少ない市民講座(予算は少ないけど充実した講座を開きたい)に、話の上手な大学の先生を引っ張り出したり(話が上手ってところがポイントです)。

予算の少ない研究室(予算は少ないけど有能な秘書が欲しい)に、有能なのに働く気のない有閑主婦を放り込んだり(その後、彼女は楽しく仕事をしています)。

日本の科学文化の振興に役立ちました。

これは手並みで合ってるよね?

 

私は人に何かしてもらうのが上手です。手並みでも、手並みじゃなくても。

 

で、草刈り

刈払機が直ったので、「明日は草を刈る」心に決めたのに。

その「明日」、寝坊しました。刈払機の音で起きました。

(頑張ってる人がいるなー)

だらだらと起き出して、犬を触ったり、お茶を飲んだり。の間にも、エンジン音は続きます。それが、

(やけに近いな?)

サンダル履いてぺたぺた見に行くと、

 

うわぁ。

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私の斜面がきれいに刈られていました。

 

その人はちょっと先の駐車場にいて、鮮やかな手並みで草を刈っています。

ここから駐車場までの道沿いの、ざっと400㎡。が、きれいに刈り払われています。

 

うわぁ。

 

私、ぺたぺた走ります。

「あの、あの、私刈ろうと思ってたんだけど」

その人、刈払機のエンジンを止めて、

「もう止めるよ。暑くなってきたから」

そう、暑くなったら外仕事はできません。できるけどしちゃだめ。暑くなってから始めるとか、全然だめ。

朝飯前に刈る。

が正しい草の刈り方です。都会なら通報されますが。

 

 

里山のコモンセンス

大雨で草が倒れました。

イネ科の草、丈が伸びて、穂がついて、頭が重くなっていました。

そこに大雨が降って、

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これでは通行に支障。

なので、刈ろうと思ってました。晴れるのを待って。

そして、寝坊したわけです。

 

「いや、俺が通るのに邪魔だったから」

aldertree.hatenablog.com

 

にっこりと汗を拭うその人、私の大事なお隣さんです。

〇〇町にはそう、こういう人が住んでいます。

 

 

結論

自分で直すつもりの刈払機、直してもらいました。

自分で刈るつもりの斜面、刈ってもらいました。

私、人に何かしてもらうのが上手です。

でもこれ、手並みじゃないよね?

なんかもっと、かっこいいこと書くつもりだったのに。

 

まあ、いいか。

私は〇〇町が好き。



 

良い手並みを持つことについて考えます(その1)

刈払機、放って置いても直りませんでした。

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選択肢

こういう場合の対応策はいくつかあって、

A ホームセンターに持って行く

B その辺の誰かに見てもらう

だいたいこれで対応しますが、今回は別の方法を採ろうと思います。

C 自分で直す

自分でできることが増えたらいいな、って思ったの。

 

直し方はYouTubeが教えてくれます。

なるほど、見るべき箇所は①排気口②フィルター③プラグですか。やってみましょう。

っと、工具が必要ですね。プラグレンチあったかな?

 

工具箱

私は工具箱を3つ持っています。

物入れに2つあります。大きな工具箱と小さな工具箱。

を見たけど、プラグレンチないですね。買った覚えないもんね。

3つめの工具箱は見たことありません。でも、持ってると思うの。車買うと付いてくるでしょ?どこにあるのかな?

が判らないので、人に聞きます。うちにいらした保険屋さん。

姪の車の保険屋さんです。姪がこの家に保険屋さんを呼びました。姪の保険の打ち合わせに。

「今日Nさんが行くからねー」

って、勝手に。

可愛い姪です。

 

手並み

その保険屋さんに聞きます。

「私の車の工具箱、どこにあるか判ります?」

「何に使うんですか?」

5分後、刈払機は直っていました。エンジン快調、すばらしい吹き上がり。

工具使いませんでした。保険屋さんが触ったら直りました。

こういうことあります。パソコンでもスマホでも、「できる」人が触ると動きが変わるとか。

プランC、試す機会を逸しました。

まあ、大切なのは気持ちです。やってみる気はあったんです。

それより、「できる」人の手並みが見られてほくほく。

 

 

良い手並みを持つことについて考えます。

 

ひとつの例

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この2本は去年の春に出た竹で、筍のうちに採らなくちゃいけないのに見逃して、こんなことになっちゃいました。

冬になって気がついて、私、思わず切ろうとしました。もちろん切れます。電線を損傷してもいいなら。

電線を損傷してはよくないので、電力会社に連絡しました。

電力会社の方、すぐに見に来てくれて、

「そのうち伐採に行くので待っててください。自分で切ろうとしちゃだめですよ。」

釘を刺されました。

近くで作業がある時、ついでに寄るとのことで、だから「そのうち」。

その「そのうち」、私、とても楽しみにしてました。どうしても立ち会いたくて。

どうやって切るのかな?

高所作業車の入る場所ではありません。ロープ掛けて支えて切るの?

 

1か月も経った頃、伐採業者さんから連絡が来ました。

「今日、これから行きます」

 

あっという間でした。ロープなんか使いません。

作業員さんが真下に立って、ちょっと梢を眺めて、

ブルン、

チェーンソー起動して、一瞬。

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すばらしい手並みでした。

 

もうひとつの例

某市市役所、資産税課。

通路を掻き分けるように入ってきた男性が、カウンターに腰を掛け、職員のデスクを斜めに見回して、

「ふざけんな!お前ら、俺の払った税金で飯食ってんだろ!」

大声で。

こういう方、たまにいます。市役所で働いていると(以前働いていました)いろんな人を見ます。

「役所だめじゃん」「法律のばかやろー」なケースもあるし、「市民いばり過ぎ」なケースもあります。いろいろです。

この方は公務員を恫喝したい気分だったんですね。カウンターは腰を掛けるところではありません。

役所の中でもこういう気分の方がよく見えるのが税務部で、その資産税課では、こういう時に対応する人が決まっていました。

窓口で揉め事が起こると、ペンを置き、ネクタイを直し、黙って席を立つのは、定年後再雇用の嘱託さん。

「こちらでお話を伺います」

穏やかな態度で相手をパーティーションの奥に案内し、話を聞き、聞くべきところは聞き、でも、「それはいたしかねます」をしっかり言える人。

すごい、お手並みでした。

 

もうひとつの例

盛夏、電車の中で。

白杖をついた男性が乗って来た時、すっと席を立ち、「ご案内します」囁いて、相手の肘に手を添えて、空席に誘導した女性。

それが、かっちりしたスーツ、サングラス、パンプス、ブリーフケースって、エグゼクティブみたいな人で。やたら格好よくて。乗り合わせた人たち、見とれてました。

ポイントは、相手の肘に手を添えて、のところです、もちろん。

 

とか、思いつくのを挙げたけど、良い手並みを見た覚え、何年経っても覚えてますね。

 

さて、では、私にもあるかな?良い手並み。

思いついたら続きを書きます。

 

追憶のリンゴ

追憶の

昔、母の実家にリンゴの木がありました。

大谷石の門の内側に、マツの木と並んでありました。

子どもの頃の夏休み、おじいちゃんの庭ではもぎたてのトウモロコシ、もぎたてのトマト、もぎたてのキュウリ、とリンゴが食べ放題。

トウモロコシとトマトとキュウリはもぎたてが格別です。

トウモロコシの食べ方はこう。

庭にかまどを組んで、鍋に水を張って火にかける。お湯が沸く間にトウモロコシをもぐ。皮をむく。お湯が沸いたら放り込む。オニヤンマを追いかける。茹で上がったトウモロコシを食べる。

トマトとキュウリは蔓からもいで、井戸水で洗って、ついでに冷やして。

しっかり冷やした方がおいしいけど、時間で味が変わるので、どのくらい冷やすか悩むところ。トマトはそのまま、キュウリは味噌をつけて噛ります。

リンゴはもぎたてじゃなくていいです。竹の籠に入れておみやげに持って帰ります。

それが、どういうわけか、家に帰り着いたときにはなくなってたり。

 

その、電車の中で食べたのが最後です。

おじいちゃんの家のリンゴの木、今はありません。

おじいちゃんも、今はいません。

 

小ぶりで、艶のある、青いリンゴ。

昔はお店でも見かけた気がするけど、今はありません。

スーパーでも、八百屋でも、道の駅でも、つい探してしまいます。

見た目似たのはあるのだけど。これとかそっくりなのだけど。

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味が違います。

 

追憶のリンゴはしゃきっと固く、くっきりした味。酸味が強く、甘さは控えめ、僅かな渋みがありました。それが好きでした。

もう何十年も探しています。みつかりません。

農作物にも流行があって、ジャガイモとかトマトとか、新しい品種がどんどんできています。消えてしまった品種もたくさん。

葉が厚くて、色が濃くて、根元が赤いホウレンソウ。若い人は知らないよね?

 

おじいちゃんの庭にあった青いリンゴ。しゃきっと固く、くっきりした味。僅かな渋み。

はもう、記憶の中にしかなくて、二度と巡り会うことはないようです。

 

 

デジャブな

JAZZ™というリンゴがあります。数年前から見かけるようになりました。

初めて食べた時、「あれ?」っと思いました。

しゃきっと固く、くっきりした味。酸味が強く、甘さは控えめ。

似ています。

 

なんか不思議な気がしました。

何十年も前のリンゴの味を覚えていたのが不思議。

思いがけないところでもう一度出会ってしまったのが不思議。

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これはデジャブなリンゴです。

 

 

一株のリンゴを庭に植えておくと幸福になれるそうです。

それはそう。

花はきれいで、いい匂い。丸い、きれいな、おいしい実。なんて木が庭にあったらね。

木陰で休みたかったら木を植えなさいベトナムの諺。

私も植えたくなりました。

JAZZ™がいいと思いました。

食べた後の種を埋めればいい?

とか思ったけど。

どうも、だめみたい。

 

これは果樹栽培の常識なんだけど、私は最近まで知らなかったのだけど、

果樹は普通、種からは育てません。

種って普通、雌しべに花粉がついてできるでしょ?

果樹の多くは自家受粉を嫌って、異品種の花粉を欲しがります。

そしたら、できる種は交雑種になるでしょ?

最高級品種にできた種を蒔いても、最高級品種は収穫できない。

というのではつまらないので、果樹園の人たちはクローンで果樹を育てます。

増やしたい木の枝を切って、台木に接いで苗とします。

ミカンをカラタチに接ぐと、カラタチの強靭な根にミカンのおいしい実が育つ、というわけ。

 

では、JAZZ™の苗を植えればいい?

とか思ったけど。

これも、だめみたい。

JAZZ™の苗、売ってません。

このリンゴ、ライセンス契約がないと栽培できないんですって。

では、私は何を植えたらいいの?

・・・

実はもう、注文してあります。ネットで探して決めました。

届くのにあと1週間かかります。

結実まで3~4年かかります。

 

幸福になれるかな?

昼寝をした日

せっかくのお休みなのに、真夏日

で、外仕事ができません。

しかたがないので昼寝をしました。

家の中は暑くないです。まあ、それほどは。

 

いや、やることあるでしょ?

季節物の入れ替えが途中です。ストーブテラスに出しっぱ。

テラスに?

なぜテラスにあるかというと、着火消火を外でするからです。不完全燃焼の匂いが嫌い。

なぜストーブかというと、エアコンより暖かいからです。ヤカンでお湯沸かせるし。

と、おそろしく気候に合わない話をしていますが。

ついこの間まで使っていたんですから。5月になってもときどき使っていました。

ちなみに、私、寒さには強いみたいです。

前の職場でも、センターでも、誰より薄着で過ごしていました。

実はびっくりなのですが。地元で育った皆さんより寒冷地仕様の人間でした。

で、ストーブをしまわなくちゃいけないのに。

昼寝です。

暑いと何もしたくないです。

 

冷房はぎりぎりまで入れません。

暑くてグダグダしてるなら、冷房入れてしゃっきり動けばいいのにね。

でも、お休みの日くらい。

 

職場は完璧な空調が効いていて。

24時間、365日。温度23℃、湿度54%。プラスマイナス数%。

で、しっかり管理されています。

これはすごくありがたいことで。

温度はもちろん、湿度が管理されてるところが完璧。

作品保護のための空調です。

それが、たまたま人にも快適な温湿度。なのですが。

 

お休みの日くらいは。

昼間の何時間かやり過ごして、日が傾くの待とうかと。

東京ならね、待ちません。待っても涼しくならないからね。

ここはだいじょうぶ、5月だもん、涼しくなります。

 

ということで、昼寝。

日が傾く頃に起きました。

はい、草刈りをしました。

刈払機のエンジンが掛からなくて、放っておけば、そのうち直るかな?

今日は手鎌で刈りました。45リットルの袋2つ分。

あとタケノコを20本。

それから買い物に行って。ごはんを食べて。

そして夜、

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ほら、気持ちい。

本当に、なんて気持ちいい。

 

昼間暑かった分気持ちいいのは、単に気分の問題じゃなくて。

いや、気持ちいいのは気分の問題なのだけど。

言いたいことは、

気温が上がると、草木の放つ芳香が強くなります。フィトンチッドの放出量が多くなります。

ということで、

 

こんな夜に、夜更かしできる嬉しさ。