グラウンドカバー通信(冬号)

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先週の写真です。

この雪は半日で融けました。

 

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今朝の写真です。

午前8時、気温はマイナス4度。

 

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スナゴケは霜が降っても元気。

 

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クリーピングタイムは静かに休眠中。

 

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ヒメイワダレソウ。

寒冷地では地上部が枯れるとのことですが、まだ頑張ってる株があります。

 

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イチゴ。

はご近所の方にいただきました。

イチゴって寒さに強いんですね。そして、こんなふうに、

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こんもり。

これは10月の終わりの写真です。ワイルドストロベリーじゃなくて、ショートケーキの上に載るイチゴ。

が、こんなに旺盛に。

これ、グラウンドカバーになるよね?

ものほしそうに見ていたら、

「持ってっていいよ」

いただきました。

路地のイチゴ、秋の終わりに親株を捨てて、ランナーの先についた子株を育てるんですって。

その親株をいただきました。そしたら、ランナーの先に子株がつきました。

ひょっとして、実がなるかしら?

実を食べるには畝を立ててあげないといけないのだけど、垂れ下がった実が地面につくと傷んで食べられなくなるのだけど、

そして私は、平らな地面に平らに植えただけなのだけど、

なんか、楽しみ。

 

と、写真をいっぱい並べましたが、実は久しぶりなんです、庭見るの。

最近の私は、日が昇る頃に家を出ます。

朝起きて見る夜景、

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も綺麗です。

帰宅する頃にはもちろん、日が落ちています。

 

なので今日、久しぶりに天気の良い週末、

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久しぶりに庭に出ました。

落ち葉をたくさん集めて、その辺に敷き詰めました。

なんのためにやるのかって?

まあ、なんとなく、やってみたいと思ったから。

 

去年も、一昨年も、誰も片付けなかった落ち葉が、いつのまに消えていました。

林の中とか、土壌動物がいっぱいいる土の上なら、きれいに分解されるのだろうけど、

では、この、重機で固めた粘土の上ではどうなるの?

という興味。

もちろん、霜よけのマルチングのつもりもありますよ。

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今日、日中の最高気温は7度。3時を過ぎると寒くなります。

ここで庭仕事は切り上げて、週末の買い物に。

明日からまた、日が昇る頃に家を出て、日が落ちてから帰宅する日々。

ポリテクセンター楽しいです。

今は「建築一般構造」をやってます。これがおもしろいの。

私の秋が終わりました

今日はとても温かいです。久々の晴天。

なので、やり残した冬支度をやってしまいます。

 

ここを片付けます。

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私ったら、まだ刈り残していた場所がありました。

今日中に片付けます。

 

朝起きて、空模様を見て、その日やることを決める。

そんな自由な、ちょっと不自由な生活も、そろそろお終い。

もうじきまた、決められたスケジュールで動く生活に戻ります。

 

ポリテクセンターの受講申込をしました。選考試験を受けました。合格しました。

もうじき受講です。

さて、駅までどうやって行くかの問題ですが、駅前に駐車場を借りました。

いくつも駐車場を当たって、やっと「空きあり」をみつけました。

それが、一昨日は2台分空いていたのに、昨日で全部塞がったそうです。

運がいいんです、私。

車は昨日、スタッドレスに履き替えて、オイル交換もしてあります。

だいじょうぶ、通えます。

 

ということで、今日、久々の晴天、

やり残した草刈りを終わらせます。

 

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終わりました。

刈った草はその辺に倒してあります。バケツに入っているのは枯れ枝と枯れ蔓です。

これを家の裏に持って行きます。

この辺でいちばん高い場所、地面が平で風が当たらない場所、そして人目がない場所、

で、

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焚き火って楽しいですね。

ずっと見ていて飽きないし、匂いも好き。

火口にスギの葉を入れると、祖母がいた頃の古い家で入った薪風呂の匂いがします。

 

ところでこのバケツ、ホームセンターで買ったのですが、

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えー、「薪入れ」と書いてあります。

燃やす前の薪を入れるんであって、薪を燃やす物ではなさそうです。

でも、私は燃やします。そのために買ったの。

 

 

10月に借りた家の周りを刈りました。3日かかりました。

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実は刈るのより、刈った後の始末が手間でした。

草を袋に入れる、袋に入るサイズにまとめる、のが手間。

袋、すぐ破れるし。

高いし。

 

で、このバケツが使いいいんです。

薪ストーブもあるけど、バケツは持ち歩けるし、長い薪も燃やせるし、すごく使いいいの。

値段も、15リットルの袋15枚分。この秋、私は草に何枚袋を使ったでしょう?

 

そういうわけで、このほどダッチオーブンを買いました。 

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こんなふうに使います。

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このあと蓋をして、蓋の上にも薪を置いて、焚き火をします。

焚き火のそばで仕事をします。

 

すぐに使えるように出しっぱなしにしていた道具、三角ホー、移植ごて、じょうろを片付けます。

刈払機ももう、暫く使わないので片付けます。ガソリンとエンジンオイルはしっかり保管。

ああ、そう、外水道の水抜きの練習をしなくては。

 

日が暮れるまで働きます。

そういえば、今がいちばん日の入りの早い時期でした。

1年でいちばん日の入りが早いのは12月初旬、ということを、去年私は知ったんでした。

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残照が竹藪を照らす頃、

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できました。

 

よい1日でした。

私の秋は今日で終わりです。

暦と2日ずれたけど、今日までが私の秋。

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よい季節でした。

子どもたちから素敵な名前をもらったので、木工工作をします

秋中ずっと、家のまわりを掘っていました。

毎日外で作業していると、いろんな人から声を掛けられます。

私の家、「その気になれば何日も、誰の目にも触れずに過ごせる」はずでした。

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のに、へんですね。

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下の通路から見えなくても、離れれば見えます。

こんなはずじゃなかった。けど、まあいいです。

見えるのは正面だけだし。見られて困ることは裏でします。

あのね、近所の子どもたちが、この家を「ハイジの家」と呼ぶんです。


近くに幼稚園があります。

家のまわりで土を掘っていると、オルガンの音とかが聞こえます。

今日は誰かの誕生日らしく、「ハピバースデーツーユー」って。

平日の昼間、オフィスワーカーには聞こえない音です。

その幼稚園の園舎から、この家が見えるんですって。

 

で、家の前で土を掘っていると、いろんな人から声を掛けられます。

「ダイコンいらない?」

「ネギもってく?」

夏の終わりに蒔いた冬野菜が、もう育っています。

こういうとき、私は断りません。

「ハクサイもってきたよ」

「イモ置いていくね」

杖をついたご老人がわざわざ運んできてくれたり。

 

結果、

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ある晴れた週末の一日の分です。畑仕事にうってつけの日でした。

おひとりが2本ずつダイコンを持ってきてくれました。そして、2個ずつハクサイを。

なぜ、2本で2個なんでしょう?

そしてなぜ、私は断らないのでしょう?

 

このたくさんの野菜をどうしましょう?母に言ったら、

「新聞に包んで、米袋に入れて、物置に置きなさい」

それで一冬保存できるそうです。でも、

「新聞ない、米袋ない、物置ない」のでどうしましょう?

ちなみに、実家には先日いただいた分を届けてあります。この秋3回届けてあります。

 

無職の叔母のために、姪が勤務先から新聞をもらってきてくれました。新聞って職場からもらうものですよね。

そして、お互いの人脈をたどって野菜の引き取り手を探します。

とてもおいしい野菜です。県内でもこの地域の野菜は評判で、ちょっとしたブランドなんです。私は連日おでんとすき焼きを食べています。ダイコンの葉っぱは炒めてもおいしいです。

でもお願い、誰かもらって。

 

そしてようやく、玄関が片付いた2日後、

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また届きました。今度は軽トラで。プロの農家さんから。

このみごとなヤマイモは油圧ショベルで掘ったそうです。

 

私ったら、なんで断らないんでしょう?

 

でも、断ったらいけない気がするんです。

私はこの土地のことはよく分からないのだけど、人との距離の取り方とかの「常識」は土地によって違うでしょ?

ほら、この辺のネギは曲がってます。わざわざ曲げてつくるんです。「幻の曲がりネギ」。

なんてこと、以前は知らなかったので、いただいてもありがたみが分からなかったり。

今も知らないことがいっぱいあるので、人との距離の取り方とか、まだ手探りです。

 

 

初めての木工工作

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実は工作というほどじゃないです。ネジ8本打つだけのキットです。

ドリルドライバー使ってみたかったんです。

 

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ブライワックス使ってみたかったんです。

 

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イモ入れる箱ができました。

楽しいのでもう一個つくります。ハクサイ入れます。

 

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これで一冬保管できます。

必要ならもっとキット買います。1セット980円です。

日本の原風景と犬の能力の欠如について考えました

小さいの

その辺を歩いていたら、こんなものを見つけました。

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色も大きさもブドウみたい。でも、ヘタがついています。

これは何ですか?

見上げると、

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たわわ。

これは何ですか?

すごく小さな柿ですか?

 

ご近所の人に聞いたら「豆柿」ですって。

「食べられないよ」という人と、

「すごくおいしい」という人と、

えっ?どっち?

 

赤い色をしたのは食べられません。ものすごく渋いです。

熟して黒くなったのは食べられます。味は干柿。

 

玄関に飾ってみました。

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工務店さんがおまけで造ってくれた飾り棚。

ごめんなさい、普段は軍手とか置いてます。

 

 

普通の

ご近所の方からいただきました。

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実は私、柿はあまり食べないので、どうしようかと思いました。

でも、おいしいじゃないですか。

ちょっと長めの柿なんです。で、しゃりっと固いんです。で、渋がない。

これまで食べたことのない品種です。

なのに、この辺の人たちは「普通の柿だよ」って。

いや、スーパーには売ってませんけど。

 

「普通の柿」はスーパーには売ってません。ご近所の庭になっています。

この辺の人たちは、「柿は採るものであって、買うものではない」と認知してるので、スーパーの柿は食べないんです。なるほど。

なるほど、この辺は柿の木多いです。

農家の庭先に、

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道端に、

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畑の隅に、

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あちこちにちあります。

透明な日差しの中で、鮮やかに赤い柿の実は、日本の原風景だと思います。

 

渋いの

うちにも柿があります。今年はたくさんなりました。

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でも、渋柿です。

それを、

「もらっていいですか?」

廃屋の片づけ(まだ終わらない)のご夫婦がおっしゃるので、

「どうぞ」

言ったら、お二人で仲良く採っていきました。

竹の先を割って切れ込みをつくって、その切れ込みに柿の枝を挟んで捩じる。

と、竹の先に柿がついてきます。

楽しそう。

気が付いたら、私のバケツにも入れてあります。

「いえ、私、干柿とかつくりません」

そしたら、渋抜きの方法を教えてくれました。ヘタに焼酎をつけて袋に入れておくだけ。

「1週間くらいかかります」

言われたけど、さっき、3日目で抜けていました。

これなら、うちの柿も食べられます。

竹の先を割って切れ込みをつくって、その切れ込みに柿の枝を挟んで捩じる。

楽しそう。

 

 

犬の味覚

ところで、豆柿。

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これをその辺に置いておいたら、実がなくなっていました。

犬のお腹がぱんぱんに膨れていました。

うちの犬、柿が大好きです。この秋覚えた味覚です。

いや、でも、赤いのは渋いはずだが?

試しにちょっと、、、いや、渋いです。おそろしく渋い。

だいじょうぶなのか?うちの犬?

心配になって調べてみました。

犬は渋柿食べるそうです。たいていの犬は喜んで。

「その辺に落ちてるのみつけると、貪って食べる」そうです。

犬には渋みを感じる能力がないそうです。

だいじょうぶなのか?犬?

 

日本の原風景

やがて紅葉が終わったら、里山は多くの色を失います。

そして、次には、霜と雪の季節が訪れるのですが。

そんな中でも、柿の赤い色は残ります。

これは去年12月の写真ですけど。

 

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いえ、甘柿はとっくに消えています。

里山の冬を飾るのは、お腹をすかせた鳥さえ食べようとしない渋柿。

もし犬に木登りの能力があったら、これは見られなかった風景です。

なんてことを考えました。

 

今朝の気温は氷点下。

退職したらすること①②

先日はたくさん歩いた話をしました。

なんで歩いたかと言うと、電車に乗るためです。

電車に乗るため、駅に行くのに歩きました。

この家、駅からちょっと遠いんです。

 

バスはあります。すぐそこの団地と駅を結ぶ路線があります。

停留所は近いし、時刻表通りに乗車できます。

でも、本数は1日4本。

先日はたまたま、乗りたい電車に合う便がなかったんですよ。

 

もっと本数の多い路線もあります。大通りまで行けば、1日20本の便があります。

でも、離れたところから来るバスなので、時間があてにできません。

大通りまで10分歩いて、停留所で10分待って、15分乗る。

んだったら、歩こうと思いました。

 

で、どこに行ったかというと、ポリテクセンター。

聞いたことありますか?ポリテクセンター。

私は最近聞きました。

 

 

9月いっぱいでオフィスの仕事を辞めました。

最後の出勤日に保険証を返しました。

親切な庶務のお兄さんに、「どうもお世話になりました」お渡ししました。

そして、10月最初の月曜日、市役所に行きました。

 

退職したらすること①

市役所の保険年金課に行きます。

社会保険の保険証を返したので、国民健康保険のを発行してもらいます。

この手続きにリンクして、年金も切り替わります。厚生年金から国民年金へ。

これまで給料天引きだった保険と年金を、これから自分で払うことになります。

天引きのときは気にしなかったけど、自分で払うとなると、

「えっ、こんなに?」

思わず声が出ちゃいました。そしたら、

「退職理由によっては減免になります」

ですって。

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離職票が届いたら、ハローワークで確認してください」

ですって。

離職票は辞めた職場から届きます。もう暫くお待ちください。

 

退職したらすること②

離職票が届いたのでハローワークに行きます。

総合受付で離職票を提示したら、そのまま、雇用保険の手続きになりました。

なんと私、雇用保険の受給資格があるそうです。

えっ、そうなの?

と書くと、私がぼんやりしてると思われるでしょう?はい、ぼんやりしています。

でもね、前の仕事を辞めたときは、雇用保険は下りませんでした。というか、給付までの待機期間が長くて、実質受給できないので、手続きしませんでした。

でも、今回はあれよあれよで手続きがすんでしまいました。今回の待機期間は7日間です。

 

ということで、然るべき日の然るべき時間にセミナーを受講することになりました。雇用保険の受給資格者はセミナーを受講してください。

あっと、国民健康保険税の減免は無しです。

 

さて、然るべき日の然るべき時間、セミナーを受けました。

「そもそも雇用保険ってなんですか」というお話から始まって、「不正受給は承知しないよ」と続き、「この制度を有効に活用して就職活動がんばれ」という流れ。

はい、がんばります。

で、最後に公共職業訓練の紹介。

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雇用保険の受給資格者は公共職業訓練を受けられます。費用は無料。雇用保険を受給しながら受ける訓練です。

訓練には「事務・サービス系」のと「ものづくり系」のがあって、

「事務・サービス系」は医療事務、経理事務、介護サービス、IT関連など、

「ものづくり系」は機械系、電気電子系、住宅系の技術、を勉強します。

 

この、住宅系が気になります。

 

ほら、苦労して家を建てたでしょ?

私の家を建てるのに、いろんな人が働いてくれたでしょ?

それを、私は毎日現場に通って見ていて、見ているだけで楽しかったけど、「こういう仕事ができたらいいな」ぼんやり考えていました。

 

ああ、こういうのがあるんだ。

 

「ものづくり系」の訓練を実施しているのがポリテクセンターです。

住宅系の訓練期間は6か月。平日の毎日、朝から夕方まで。

受講するには、申し込んで、試験を受けて、合格しなくてはいけません。

では、申し込みましょう。

っと、その前に、施設見学を。授業の様子を見せてくれるそうです。

 

ということで、行ってきました。おもしろかったですよ。

通うのはやっぱり大変。電車の本数が少なくて、7時半には駅に着いてないといけません。

どうやって通いましょう?

ということは、試験に受かったら考えます。

もう一つの引っ越し

ちょっと歩いてみました。駅から家まで、小一時間。

穏やかな夕暮れ。

街路樹が鮮やかに紅葉し、河原のススキが銀色になびく中、のんびりと。

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家に帰ると犬が待っています。

この家の玄関は二重ロックなので、開けるまでに何度も、内側から犬が体当たりします。

「痛いからやめなさい」

ドアを開けると犬が飛び出してきます。捕まえて、犬ごとポーチに座ります。

 

少し疲れました。

朝も歩いたんです。家から駅まで40分。そして昼間は立ち通し。いえ、ちょっと疲れただけですよ。

犬を抱いて、ポーチに座って、ぼんやり、暮れていく街を眺めます。

もうじき終わる秋。

残照が山の端を照らします。

 

そして、あたりが薄墨色に沈んだ頃、車が1台、近づいてきました。

うちに来る車はね、200メートル先から分かります。

あの角を曲がったら、その先にあるのはこの家と、他に1軒だけですから。

ときどき、まちがえて来てしまう車もあるけど。でも、あの、思い切りのよいコーナリングは、

「わーい、いぬー」

姪です。

「いらっしゃい。ご用件は?」

「いぬー、買い物、かわいー、付き合って」

犬が飛びつきます。ぺろぺろ。

「どこに?」

電気屋。ディスカウントショップ。ホームセンター」

それ、みんな、さっき歩いて通り過ぎたところですね。

「言ってくれれば迎えに行ったのに」

はい。あなたがそういうのは判っていました。でもね、自分でやろうと思ったんです。

これからは、自分で。

 

姪が引っ越しました。

1年前、仮住まいの私の処に転がり込んで、この家への引っ越しにもついてきちゃった姪、ですが、

「一人暮らしをしたい」

と言い出して。

「しなさい」

ということで。

 

姪の収入では、アパートを借りて家賃を払うのは大変だけど、

生活に必要なあれこれを揃えるのは厳しいけど、

「やってごらん」

「がんばる」

ということで。

 

自分の生活を自分でデザインする。これはとても大事なことです。

スカイプやってて夜更かししても誰にも叱られない生活。

でも、次の日ちゃんと起きて仕事に行かなきゃ、の生活。

を、やってほしいと思うのです。

薬箱の中身とか、工具箱の中身とか、自分に必要なものを考えて、選んで、揃える。損害賠償保険とか、税金とか、年金のことも考えて。

を、やってほしいです。

だから、

「がんばって」

 

アパート探しに付き合いました。みつけました。

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明るい、清潔な、学生寮みたいなアパート。

ベッドとカウンターテーブルがあって、エアコン、テレビ、洗濯機、冷蔵庫、IH調理器が備え付け。

ここに、布団、カーテン、炬燵、パソコン、衣装ケースとその中身、食器、を運びました。

軽自動車2台で1往復の引っ越し。この家からは10キロほど。とても簡単な引っ越しでした。3日前から暮らしています。

「何を買うの?」

「電子レンジ、オーブントースター、包丁、椅子、鏡、水とりぞうさん

わかりました。でも、ちょっと休ませて。私はお茶が飲みたいの。おなかも空いてます。

 

こういうとき、姪はあっという間に料理をします。その辺にあるものをあさって、すごく斬新だったりする料理。

おいしい、ときもあります。これはちょっと、というときも。

文句は言いません。

だって、ごはんが出てくるんですよ。それだけでありがたい。

いえ、ちゃんとおいしいときもあります。

 

電子レンジとオーブントースター、買いました。思いがけず安く買えました。ちゃんと日本製の、すぐに壊れたりしなそうなのですよ。

包丁と水とりぞうさんも買いました。

椅子と鏡は後日、一人でも買えるよね。

 

 

姪が帰った後は、山は静か。

いつものように、デッキに座ってお茶を飲みます。

最近の夜はぐっと冷え込みます。

でも、月が正面に見えます。町の灯がきれいです。崖下の竹が揺れると、ちらちらと瞬きます。

だから、いつものようにデッキでお茶を飲みます。寒いです。

ふいに目の前をよぎって、低い位置を、この家の屋根のぎりぎりを、鳥が飛んでいきました。

フクロウ?でしょうか?

だったらいいな。

この山にフクロウがいてくれたらいいなと、ずっと思っているのです。

 

借りた家でフクロウの声を聞きました。3回。

近くの森にときどき訪れるのでしょうか。1年半で3回だけ聞きました。

フクロウはいろいろな鳴き方をするそうで、私が聞き分けられないだけかもしれません。

 

この山にフクロウがいてくれたらいいなと、思います。

冬の夜、ひとりで過ごす山の林に、フクロウの声が聞こえたらいいな。